年間を通して楽しめるチヌのカカリ釣りだが、秋のシーズンは中・小型を中心とした数釣りができる。エサ取りも活発な時期だが、チヌのアタリも多く、入門者にも最適な季節といえる。そこで今回のつり作戦はチヌカカリ釣りのハウツウを徳島の名手・正木義則さんに解説いただいた。短ザオに出る繊細なアタリと強烈な引き。ぜひこの記事を参考にチヌカカリ釣りに挑戦してほしい。
秋がカカリ釣り入門好機!
イカダのチヌカカリ釣りは8月のお盆を過ぎると中、小型の数釣りへとかわって行くのがパターン。したがって初心者でも、基本通りに一連の流れや、探ザオでのチヌ釣りを覚えるのには持ってこいのシーズンといえる。
チヌのカカリ釣りは、少しマニアックな部類になるかと思うが、実際やってみるとゲーム性が高く、自分の技量一つで釣れたり釣れなかったりする。釣れるまでの一連の作業を、一つ一つ覚えていき、他のエサ取りや大物のボラなどの他魚を釣りながら、本命のチヌを仕留めるという、究極のチヌ釣りゲームといってもいい。
チヌカカリ釣り初心者の人や、これから始めてみようか…という人は、中、小型のチヌが釣れる秋の数釣りにチャレンジしてみてはいかがだろうか。
シーズン毎パターン
チヌカカリ釣りにいい季節は先に紹介したように、秋が一番よく、魚の活性も高くチヌだけではなく他の魚のアタリも活発になる。そして11月中ごろから徐々に海水温が下がり始めるとともに、チヌの食いも落ちてきて、冬期の釣りへとかわっていく。
冬の釣りになると、釣れるチヌも大型になってくるので、タックル、ライン、ハリ、ダンゴ、エサなどももかえていき、大型チヌに備えるようにする。
私的に言うと、12月後半から3月後半は「越冬チヌ狙い」、4~6月は産卵期のチヌで「乗っ込みの大型」、6月後半から8月後半は「中、小型の夏チヌ」、そして秋は「数釣り」と、季節とともに狙うチヌはかわっていく。
チヌのサイズや食い方などの変化にともない、タックル、エサなども季節に合わせ、より釣れるように工夫して臨む。
どこで出来るの?
私の主な釣りエリアは、徳島・鳴門市堂浦を拠点に南あわじや高知県に足を伸ばすことが多く、遠征で三重県の数釣りに挑戦することもあるし、日本海では若狭湾方面にも遠征することもある。
イカダとカセとは?
さて、実際の釣り場となるイカダやカセについて。
一般的には広くて波風にも安定して、足場もいい安全なイカダからスタートした方がいいだろう。釣りをする場所も広く取れて足元から前、横などを釣ることができるのでゆったりと楽しめる。
カセは固定された小舟に渡ってサオを出す。1つのカセでサオ出しが出来るのは1、2人、多くて3人程度。カセになると、難度の高い釣り場に掛けてあることが多い。
たとえば、三重県ではカキダナの横、堂浦などは激流が流れる海峡筋、愛媛県では水深が30m以上の場所に掛けてあったりと、かなり経験を踏んだ中級クラスの釣り人でなければ太刀打ちできない場所が多い。カセにはカセの魅力も多く、十分経験を積んでから挑戦して欲しい。