9月下旬になるとツバスは成長して、ハマチやメジロが大勢を占めてきて、いよいよボート釣りの播磨灘の青物シーズンもパワーゲームになってきます。ルアーや活きエサののませ釣りが主流になる前のこの時期は、落とし込み釣りで太って大きくなった元気ものを狙います。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター丸山明)
ブリ族の成長速度
ブリは、出世魚として有名で、成長度合いで呼び名を変化させます。関西では、40cm未満=ツバス(ワカシ)、40cm超~60cm未満=ハマチ(イナダ)、60cm超~80cm未満=メジロ(ワラサ)、80cm超=ブリとして、Wikipediaに記されている表現を基準値として使います。
夏の初めに若衆のツバスたちはハマチに、またハマチはメジロに成長する秋です。「ひと潮一寸の成長」と言われ、イワシを食べてグングン大きくなり、全長は、1年30cm、2年50cm、3年65cm、4年75cm前後と若いうちほど大きくなりますが、長さだけでなくエサをたっぷりと食べると体高と厚みが出て、脂ぎったパワフルな個体になります。
そして、6~7年になると1m前後で10kg超にもなるものも出てきます。内海の播磨灘でも、このブリが狙えるのがこれからで、まず秋の初めにメジロサイズが幅を利かせます。
イワシの群れにつく青物
初夏に南の海から大阪湾を抜けて播磨灘へイワシの群れが来ますが、それを追いかけて彼らもやってきます。そして、イワシは初冬まで内海で過ごす間、青物たちもイワシ食堂を毎日ひいきのご常連で、たらふく食べていきます。イワシがプランクトンを就餌する場所が、これらの釣りのポイントとなり、イワシの食堂が青物の食堂になり、釣り人も押し掛ける賑やかな食堂エリアです。
群れの数は半端ではなく、イワシの数も凄いですが、その中をミサイルのように突進する彼らの数も凄い。それを海面から見える時があり、壮絶な動きを見ると、ワクワクしてきます。魚探反応は群れで埋まっています。
イワシをたくさん食べて、栄養が行き届いた個体のパワーはなかなかのもので、体高も厚みも出て、喰うやつは強いです。イワシや小アジが彼らの食材ですので、この釣りのキモは、イワシや小アジがいる場所を見つけることです。魚礁帯や磯に小魚は群れますが、日々変化してあっちだこっちだになることもあります。
メジロ狙い落とし込み釣り
9月下旬新月の大潮、ボート釣りで家島諸島の上島周辺へ落とし込み釣りでメジロを狙いに行きます。6時出航、6時半に釣り開始。魚礁帯がある釣り場で、イワシの群れが朝からしっかりといます。これは期待が持てそうです。
まずひと流し目、潮上から1kt前後でボートを流すと、水深20m前後の15mタナにはイワシ、落とし込み仕掛けのサビキハリにプルプルとかかってきます。
イワシがつけば、そのままタナを下げて待ち構えると、ブルブルバタバタとイワシがおびえる前アタリ、次はブルブルグングンと飲み込もうとする本アタリ、ここで我慢して待ち構え、サオが一気に穂先を突っ込んだらこっちのものです。
60cm半ばメジロが連発
飲み込んで走れば、大概はカンヌキにハリ掛かりです。1匹目から底を走る力強い引きで、メジロの引きの感覚です。玉網に無事に取り込んだのは、60cm半ばのメジロ。開始から10分ほどで、この獲物。楽しい釣りが始まりました。
再び潮上にボートをつけて、流すと同様のアタリでメジロ。3流し目まで一気に釣れましたが、さすがにメジロの引きは強く、今日は電動リールを使用したのが幸いでしたが、両手で耐える引きを連続すると、腕も足もきつい。このサイズの本アタリは、結構な力強さになりますが、ここが辛抱のしどころです。
違和感を与えずに、耐えて耐えて、穂先の突っ込むのをじっと待つ、これがこの釣りの肝です。このサイズだと口も大きいので、待てば必ず一気食いしますので、我慢です。
ハマチサイズの時は、喰い込み重視のライトタックルで釣りましたが、9月下旬は70cm超を想定して、さらに秋深くなれば80~100cmのタックルを準備する必要があります。