27日、午前5時すぎに美浜町の海岸に集まり、釣りをスタートした。満潮午前5時39分(名古屋港)という満ちから下げの潮を釣る潮回り。今回の釣行で人生初めての自然現象に巡り会った。詳しくお話ししよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・JOFI愛知・大田豊明)
長雨の影響で魚が移動
秋雨前線と台風の影響で天候に不安定さが感じられるものの、投げ釣りのキスが好調に釣れ続けている。知多半島の釣り場は、良くも悪くも木曽三川の流入水の影響を受ける。上流からエサや酸素を大量に送り込む一方で、水量が増えると海水の塩分バランスが微妙に崩れる。
日本には梅雨が2度あると言われるように、この時期は台風接近も影響し、まるで梅雨のような長雨が続く。今回の釣行日前も長雨が続いていた。大量の雨水が海へ注ぐと、一時的に海水の塩分濃度が低くなる。魚は敏感にこれを感じ取り、適切な海域へ移動する。
美浜町から常滑を釣り歩く
私は大潮を狙って釣行するから、月に2回の釣りとなる。今回の釣行は8月27日~28日で、旧暦8月1日~2日の新月の大潮だった。釣り場は知多半島・美浜町から常滑を釣り歩いた。同行は長野県駒ケ根市の小松原忍さん、三重県・東員町の山下健太郎さん、名古屋市の椎葉英雄さん、名古屋市の山田さんファミリーの計8人だった。
タックルは、がまかつ投げザオクイックサーフ20号3.8mにリールはシマノのフリーゲン。ミチイトはゴーセンPEライン0.8号+チカライト0.8~6号を結ぶ。オモリは富士工業海草固定テンビン20号、仕掛けは自作のがまかつF1キス6号×4本。エサは定番のイシゴカイを使用する。
良型連掛けも後が続かない
今回は船の釣りが得意な椎葉さんに投げ釣りのキスをレクチャーするのが一つの目的。ひと通りの説明を終え、オーバーヘッドで投げてもらう。やがて上がってきたのは18cmの良型キスダブル、顔がほころぶ。
今日も好調に釣れ続けるぞと思っていたが、あとが続かない。隣の山下さん、小松原さんも首を傾げながら釣りをしている。その後30分は誰にもまったく釣れなかった。
ポイントを探して釣り歩いていた小松原さんに良型の3連が釣れた。時合いだとばかり勢いづくが、なかなかあとが続かない。キスの群れが小さくて回遊がまばらなようだ。
私の頭に前日までの長雨の影響がちらつく。30分ごとにキスの群れがくるようで、今回は経験したことのないような釣況だった。潮も引き、アタリも遠のいた午前9時すぎに納竿として、常滑へ移動を決めた。
満ち潮なのに流れは沖へ
午前10時すぎにりんくう常滑釣り護岸に到着、早速サオを出す。海は茶色に濁っている。100mほど投げてキスを誘う。釣れてきたのはハゼでキスの姿は遠かった。
午後2時、本来なら満ちの大潮が勢いよく名古屋港へ向かって流れるはずだが、様子がおかしい。満ち潮なのに、潮の流れは名古屋港から沖へと逆に流れる。「そんなバカな」と否定しても、目の前の潮は湾奥から沖へと流れている。この日も次の日もこの潮の流れは変わらなかった。
つまり、満潮だろうが干潮だろうが、潮の流れは湾奥から沖への一方通行。こんなことは長い釣り人生で初めて。満ち潮の勢いより木曽三川から流れ出る水量が上回ったとしか考えようがない。