沖の磯でのシーバスゲーム。普段とは違うロケーションで馴染みのマルスズキやヒラスズキを狙う。陸地から隔絶された沖の磯ではいつもとは違うヒヤリとするような体験もすることになる。今回はそんな体験を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター檜垣修平)
転倒して携帯紛失
沖磯でのシーバス狙いは体力勝負。1箇所で粘ることはほぼなく、目星をつけたポイントで数投のうちにコンタクトがなければ移動して別のポイントを狙う。舗装されていない岩場を、魚を求めて歩き回る釣りだ。
この日は離島の比較的岩場と岩場が繋がっている場所に船で下ろしてもらい、右に左にと動き回っていた。有人島ではあるが、海から船で行かなければ降りられない磯であるため、全く人の手が入っていない自然のままの岩場が広がる。
朝から打って移動してを繰り返していたが釣果には巡り合えておらず、半ば気力で釣りを続けていた。自分より遥かに大きな岩を乗り越え、段差を降りたその時だった。スパイクシューズを履いていたので大丈夫だろうと片足をつけた場所に薄く海藻がついており、前に激しく転げてしまった。
もちろんライフジャケットを着用していたので、それがうまくクッションになってくれ、外傷はほとんどなかったが打撲と利き手に擦り傷を負ってしまった。満身創痍で釣りどころでは無くなってしまったので、とりあえず船長に電話しようかと胸ポケットに入れていた携帯を探すが見当たらない。
何度探しても携帯は無く、転倒した際に海に落ちたようだった。大きな怪我がなかったからよかったものの、その場で動けなくなっていれば助けを呼ぶこともできなかったかもしれない。思い出すほどにヒヤリとした経験だった。
ファイト中に身体が浮いた
沖磯でシーバスを狙っていると、たまに目の前に良い潮目が入る。その場合はヒラマサの回遊チャンスなのでしばしメタルジグにかえて狙っている。この日も目の前にいい潮目が入ったのでメタルジグを投入すると、ファーストフォールで食ってきた。ファイト時間約3秒でラインブレイク。底付近で食ったのと、ファーストフォール中のバイトだったので若干遅れ気味にサオを立てたのでそのまま岩に擦られてしまった。
その後は場所を移動しながらヒラスズキを探していたが、また届く範囲に潮目がやってきた。またもやメタルジグにかえ狙うこと数投、ボトム付近でガツンときた。先ほどのことがあるので、なんとしても底付近から引き剥がそうとドラグを絞めてサオを立てファーストランを全力で耐えた。こいつ強っ…と思った瞬間かかとが浮いた。PEライン3号なので直線強度は30kg弱だ。すぐ下は岩場である。ヤバいと思った瞬間にフッと重さが消えた。
フックのアシストラインが切れていた。後ろに体重をかけていなかったので、あのまま切れずに耐えていたらヤバかったかも……。