暑い夏は怪談で気持ちだけでもひんやりしたいということで、編集部から「釣りで経験した怖い話」の依頼が来た。今回は沖釣りによく出かける著者が実際に体験した恐怖体験、悲鳴が絶えないマリントイレのお話をしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター濱堀秀則)
トイレ故障中の伝言係
話はここからである。「うわーぬれたわ」と、船長にマリントイレの調子が悪く詰まると進言しにいくと、「あー、マリントイレは通路が細くて、流れが悪いんよ」「ちょっとずつ流してもらわんといけんのよ」とのこと。「今回は故障中で使用中止にしてくけんな」とのこと。口頭での伝言であり、張り紙もない。
トイレの横に陣取っている私は、トイレに用をたしにくる人に、「今使用中止よ」と伝言の役目である。
私の横で海に向かって用をたす方。「おいおい!」。不機嫌そうに「辛抱するわ」と自分の釣り座に帰って行く方、反応は様々である。
マリントイレから悲鳴
とはいえ、そうもいっていられない人もいる。「辛抱しとれるかいだ」と制止を無視して、マリントイレに駆け込みガチャと中から鍵がかかった。その数分後、「ごーーー」と言う音。そして、中から「ギヤー、ぬれたわー」とマリントイレから出てきた。
その後も別の人が、私の「今、使用中止」の忠告を無視してトイレに駆け込んだ。しばらくして「ギヤーーー」っと大きな声が聞こえたのは言うまでもない。
マリントイレは怖い
その1週間後、私たち仲間は、またしてもケンサキイカ釣りに釣行した、同じ船である。「船長、トイレなおったん?」「あー今修理に出しとる」と答えが返ってきたが、トイレをのぞくと張り紙もないし、見た目は普通のマリントイレがそのままであった。おー怖いわ。
※使用した写真はすべてイメージです
<濱堀秀規/TSURINEWSライター>