カニ界の常識に反して前後に動く「アサヒガニ」は原始的なカニ

カニ界の常識に反して前後に動く「アサヒガニ」は原始的なカニ

食べて美味しいカニの中には「全身が毛まみれのもの」「脚の一部がヒレ状になっているもの」が知られていますが、今回紹介するアサヒガニは、「手がスパナーみたい」で「前後に動く」カニです。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

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実は今が旬の絶品カニ

アサヒガニは一般的な知名度は決して高いとはいえませんが、プロの間では非常に評価が高いカニです。初夏が旬のため今の時期に入荷が多く、近年では国産だけでなくオーストラリアからの入荷もしばしば見られるようになっています。国産のほうが高価ですが、輸入者と比べ色が鮮やかで味も良いとされます。

アサヒガニの魅力といえば、そのたっぷり詰まった身。胴体から鋏脚にいたるまで肉がいっぱいに詰まっており、見た目よりも歩留まりが良いのが特長です。

カニ界の常識に反して前後に動く「アサヒガニ」は原始的なカニ蒸しアサヒガニ(提供:茸本朗)

味の上で特に評価が高いのがミソ(中腸腺)で、生臭みもなくコクが有り、濃厚で大変美味です。カニの中で一番だという人も少なくないといいます。難点はほかのカニと比べるとやや肉がほじり出しにくいことですが、それを補って余りある魅力を持っています。

1匹2000円ほどで手に入るので、見かけたらぜひ購入してみてください。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>