酷暑の今夏、人間たちは暑さでヘバっているが、海の中の魚たちは元気いっぱい。イワシがわき、それを狙うフィッシュイーターたちが縦横無尽に駆け回る。ワラサやブリをはじめ、マダイ、ヒラメ、根魚など、ありとあらゆる肉食魚を狙えるタテ釣り。地域によっては「落とし込み釣り」「食わせサビキ」「アンダーベイト」「チョクリ釣り」などとも呼ばれる。今回は暑い夏に釣り人をより熱くさせるこの釣りを紹介してみよう。
タテ釣りとは?
今年の夏は本当に暑い。だが旧暦の立秋を過ぎた辺りから、海の中はがぜんヒートアップしてくる。
海の米とも言われるイワシのサイズが良くなり、大きな群れで固まり始める。このところ晩夏から初冬の釣り物として、すっかり伊勢湾でも定着したタテ釣りの開幕だ。
タテ釣りの呼び名は各地で落とし込み釣り、食わせサビキ、アンダーベイト、チョクリ釣りなどさまざまだが基本は同じだ。
5~8本バリの極太サビキでまずはイワシや小アジを掛け、そのまま落とし込んでそれらを虎視眈々と狙っているフィッシュイーターに食わせるというシンプルかつ理にかなった釣法である。
釣れる理由
イワシにとっては人間にハリ掛かりさせられた上に大魚に食われるというなかなか度(ど)しがたい非道っぷりではあるが、これがまたよく釣れるのだ。
ヒラメなどを狙った泳がせ釣りと何が違うのかというと、まずはエサの動きの良さだ。
掛けたら船に上げずに落とし込むのだから当然といえば当然である。
そしてマッチザベイト、まさにポイントで泳いでいるエサを掛けるのでサイズ、種類などがマッチしているのだ。
これだけほめちぎればいいことずくめの最強の釣り方のように聞こえるが、難点もいくつか。
縦釣りの弱点
まずは海況である。エサがいなければそもそも成立しない。
根に着く小アジは別として、イワシの移動は思いのほか速い。好釣の一報があればすぐに釣行するフットワークが重要だ。
そして逆にタテ釣りの醍醐味とも言えるが、イワシと大魚を同じハリ、同じイト、同じザオで釣り上げるという構造だ。
キホンはくるもの拒まず、仕事をするのはイワシ任せ、でもちょっとしたコツで釣果に差がつくタテ釣り。
タックルや詳しい釣り方を紹介していこう。