サクラマスジギングでは特定のジグで突出した釣果が出ることもあります。多くのアングラーが口コミやSNSなどの情報から同じジグを使うことで、更にそのジグによる釣果が多くなります。そんな定番と言えるジグには、釣れる要素があります。サクラマスジギングにおける釣れるジグアクションの本質は何なのか?考察してみたいと思います。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター堀籠賢志)
ジグのアクション
サクラマスジギングの定番ジグとなっているジグのアクションを観察すると、最新のスロー系、ワンピッチ系のジグアクションとは異なる動きが見受けられます。
いま巷に溢れるジグの多くは、軽いチカラでジグ本来のアクションを引き出せるように設計されたものが多いです。最小限の入力で最大限のアクションが引き出せる新世代のジグはジャーク後の跳びの良さとフォール姿勢に優れていて誰にも扱いやすく作られています。
その反面、サクラマスジギングでは活性の低い魚にはアピールしにくく、捕食のスイッチを入れるには手こずる場面も多いです。あたかも無抵抗に軽く跳び、安定してフォールする今風のジグの扱いやすさはメリットでもありますが、デメリットでもある様に思います。青物には、こうしたジグの特性は効果的ですが、サクラマスに限ってはアピールが弱いように感じられます。
サクラマス向けのアクション
では何が、サクラマスにアピールするのか?綺麗にスムースに跳ぶジグのアクションよりもジャークした際にバタバタと暴れて波動を生み出すアクションの方がサクラマスに対してのアピール力は上であり、サクラマスも好む傾向があります。
ジャークした際にジグ自体の挙動が暴れてバタつくと大きく水流が乱れて、波動が起こります。この水押しと波動がサクラマスには強くアピールするようです。実際にこうした動きが出るジグでの釣果が多いうえに、大型サクラマスのヒット率も高いです。
不安定な挙動
ジャークした際に挙動が不安定になる、こうしたジグの特性はワンピッチやスロー系での使用には使いにくさを感じるアングラーも多いと思います。ジグのシェイプがスクエアで引いた時にジグの周辺に乱流が発生することで生じる、こうしたアクションは強く引いた場合、引き重りとなって操作性が悪くなりますが、逆にサクラマスには魅力的なアクションとなって魚を惹きつけるアクションとなります。
これはサクラマスが視覚による捕食よりも側線による感覚が捕食に大きく関わっているからでしょう。青物の動態視力の良さとは、また違った捕食行動がサクラマスには多いのかもしれません。
スピードと軌道の変化
サクラマスを惹きつけるジグアクションは一つだけではありません。先述の水押しと波動を生み出すジグアクションの他に有効なアクションはスピードと軌道の変化です。
ジャークした際のジグの初動からの素速い立ち上がりと、その後の垂直姿勢から水平姿勢と鋭くカーブを描く軌道の変化も大きくサクラマスを惹きつけます。サクラマスの本能を鋭く刺激するベイトがパニックとなって逃走する動きを再現するようなジグの軌道の変化は大きくサクラマスを惹きつけます。
本来、サクラマスは大きくなって河川回帰するために食べることにはとても貪欲です。一度ロックオンしたジグはしつこく追う傾向があります。大きくスライドするアクションは集魚効果が高く、遠くからサクラマスを惹きつけることが出来るアクションだと言えます。