春マサシーズン終盤の五島列島で、釣り超初心者がオフショアジギングゲームに挑んだ模様をレポートする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)
釣り超初心者がヒラマサゲームへ
筆者の友人のまっちゃん。まともな釣りはほぼ未経験なのに好奇心が旺盛で、ことあるごとに、「一度でいいから五島列島のヒラマサ釣りの空気を体感してみたい」と筆者にしつこく言い続けてきた。「たとえ、自分は釣れなくても宮ちゃん(筆者)か誰かが釣るところを見ているだけでもいい」という。どうやら本気らしい。
筆者の五島通いは今年で7年目。まっちゃんが言い続けてきた期間もそれに近い。やや根負けしたのと、こちらもいったいどういう展開になるのだろうという別の好奇心も生まれ、今年の春マサ狙いの遠征釣行に試しに誘ってみたところ二つ返事で同行することになってしまった。いつも五島に同行している寺さんも快諾してくれた。ただ、筆者は自分の釣りに没頭したいため、基本的にまっちゃんの面倒は見られないということを条件にさせてもらった。
まずは船長のレクチャーから
チャーターした遊漁船は今回で4回目となるMANA。朝6時前に福江島北部の水之浦港出港。最初のポイントはキャスティングゲームでスタート。筆者と寺さんは100g前後のダイビングペンシルをブラインドキャスト開始。朝一番のチャンスタイム。
筆者は事前の約束通りまっちゃんにはかまっていられない。超初心者のまっちゃんには、山口船長の「(仮称)初心者船上釣り教室」がさっそく開講された。まっちゃんのタックルはもちろんオールレンタル。レンタルではあるがリールはステラなので筆者のタックルよりもモノがいい(笑)。ジグとダイビングペンシルは筆者が実績のあるものを用意した。
山口船長は早々にまっちゃんのキャスティングの素養には見切りをつけ、ジギングに絞ってのレクチャーが始まった。竿の持ち方、シャクリ方、リールの巻き方、疲れずシャクり続けるコツなど実に親切丁寧に分かりやすく手取り足取りご指導いただいている。山口船長がまっちゃんの面倒を見てくれるおかげで筆者らは自分の釣りに没頭できる。本当にありがたい限りだ。
ほどなく、まっちゃんも、ぎくしゃくとしたアクションでジギングの実釣を開始した。
初心者にネリゴがヒット
渋めの出足で朝のチャンスタイムはキャスティング不発。何回かポイントを移動したあと、今度は全員ジギングで海中を探ってみる。水深は最大で100m位。
9時頃筆者がジギングでファーストフィッシュとなる5kgのマダイをキャッチ。これに続いたのはなんとスーパービギナーのまっちゃん。予想外すぎるヒット(笑)。ぎくしゃくしたゆるふわジャークがマッチしたようだ。皆の声援のなか、必死にリールをゴリ巻きし、船長のタモに納まったのはネリゴ(小カンパチ)だ。初ヒットで擦れ掛かりだったせいもあり、まっちゃん的には相当な重量感だったようだ。早すぎるビギナーズラック炸裂。
気付けばジャークも自然に
このあとも船長の釣り教室は断続的に続いた。まっちゃんの釣り座は右舷胴の間やや前方。つまり船長のすぐ目の前。絶えず船長の視線と声を受け続け、気が抜けない(笑)。まるで監督がずっと後ろからついて来る中で走り続ける大学駅伝の選手のようである。
そんなまっちゃんに何度かヒットが出始めた。途中でバレたり、リリースサイズの根魚だったりしたが、釣りらしくなってきた。「アタったらアワせてくださーい。アワせんかったらバレますよー」と船長。結局、まっちゃんは朝マヅメから夕マヅメまで休まず愚直にロッドをシャクり続けた。最初は「ギクシャク」という音が聞こえていたジャークアクションも、いつのまにか不自然さがなくなっていた。