難しそうなイメージがある「テンカラ」。渓流エサ釣り一筋だった筆者だが、今では「もっと早くからやるべきだった」と後悔しているほどだ。あえて声を大にしたい。「初心者こそテンカラからスタートすべし!」。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター筑井直樹)
釣れた感動はプライスレス
ここまでテンカラを持ち上げておいて、では実際に釣れるのか?と思われるだろう。確かにサカナにすれば、食べるなら本物のエサの方がいいに決まっている。しかし、水生昆虫が活性化する夏にかけては、初心者の打つ毛バリにも「パーン!」と水面を割って躍り出てくれるし、秋には沈めた毛バリをグイグイ引き込んでくれるのだ。
条件次第ではエサと比べても遜色が無いと思うし、釣れたときの感動は段違いに大きい。北海道だけにすむオショロコマ(カラフトイワナ)は、冷水を好み川底に潜んでいることも多い。ある夏の日、深みに毛バリを落とすと一直線に水面に向かってきて、毛バリをがぶりとくわえてくれた。その一部始終を目撃できるのがテンカラの魅力であり、醍醐味なのだ。
筆者は昨年、クルマに積みっぱなしだったエサ釣り用の竿をまとめて物置に移した。テンカラを始めたばかりで、すっかり「テンカラ沼」にはまってしまったのである。北海道はようやく雪解けを迎えたばかりだが、今年はどこの渓流に行こうかと、そわそわしながらシーズン開幕を待っている。
<筑井直樹/TSURINEWSライター>