イカスミ(墨)パスタが美味しいのは周知の事実です。ではなぜイカの墨が美味しいのでしょうか。そもそもイカスミそのものの「味」ってどんな味なのでしょうか。調べてみました。
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イカスミってどんな味?
イカスミの料理があることは、おそらくほとんどの人が知っていると思いますが、イカスミそのものの味を言葉で説明することは意外と難しいものです。
複数の感想を調べて文字にしてみました。
・磯や海藻の香りがする
・カニ味噌のような苦みと甘み
・濃厚な魚介スープの風味
・イカの味を凝縮したような味わい
・塩味のイカや、イカの塩辛の味に似ている
イカスミの味わいは様々な表現をされていますがそのほとんどが、魚介そのものに関わる意見が多いです。
カニ味噌に似ているという意見もあり、まろやかな甘みや苦みが特徴です。
ネガティブな意見も
反対にイカスミを食べたうえで苦手とする人の意見としては
・生臭い
・イカ臭い
・香りが強い
・気持ちが悪い
イカスミがまずいと感じる人は、独特の生臭さを感じる場合が多いです。
多くのイカスミ料理は生臭さを消すためにニンニクなどを使って調理しますが、鼻に抜ける磯の香りが苦手だという人も少なくはありません。
また、見た目が黒い食べ物には食欲がわかないという意見もあるようです。
イカスミの成分
では、なぜイカスミが美味しいのかというと、それは秘密はイカスミの成分にあります。
一般的に旨味成分として知られているアミノ酸である、アスパラギン酸やグルタミン酸、アルギニン酸・タウリンなどがこのイカスミには豊富に入っています。つまり、イカスミ自体が旨味の塊なのです。
前述の「甘みや苦みで美味しい」という部分についてはこのアミノ酸の旨味成分に由来していることお分かりになるかと思います。
イカスミの本来の役割
また、イカスミがなぜパスタやパエリアなどの料理に用いられるかというと、これにはイカスミの粘度が関係しています。
イカスミは粘度が高く、ねっとりとした質感をしています。
イカが敵から逃げる際にイカスミを噴射する時、イカスミは水中でモワッと漂うのですが、粘度が高いため、その場でまとまりながら浮いた状態になります。
するとイカを襲おうとした敵はイカスミをイカと間違えて襲うのですが、旨味成分が豊富なため敵はイカスミを食べることに夢中になってしまいます。
この隙にイカはそそくさと逃げることが出来るのです。
つまり、イカスミはイカに危険が迫った際に分身のような役割をしてくれるのです。