今シーズンのトンジギは、ムラが激しく釣果が安定しなかったうえ、天候にも見放され出船できない日もあった……。3月19日も予報は悪く諦めていたが、前日には予報が改善され、なんとか出られることに。死中に活あり、このチャンスを絶対にモノにすると意気込んで南紀の浦神へ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター田中耕二)
たいし丸でトンジギ釣行
午前5時半に出船。港を出るとウネリを感じるが、たいし丸は東に向けて疾走。予報では7~8mの風が吹くとのことだったが、それほどでもなく太陽も顔をだし絶好の釣り日和。1時間ほど走ってポイント到着。6人が左舷に並んで、私はトモ2番目の釣座から420gのジグを投下する。
タックルは、風対策でPE3号を巻いたリールを6ozロッドにセットしたものをメインとした。使用するジグは400~500gだろうと予想したのだが、意外やラインは真下を向く。風が弱くラインが払い出されない。ジグを300gと軽くして水深100~150mをジャーク&フォールで誘ったが、ノーバイト。トンジギにはよくない状況からのスタートだ。
ウネリが大きく、踏ん張っていないと立っていられない。風はころころとかわり、急に強まったり、逆に止まったり。理想とする角度でジャークできるように毎回のように使うジグの重さを変えてアプローチするが、かすりもしない。それでも6人が黙々とジグをシャクる。
気配出てきたがノーバイト
突然、船長から90mに反応とアナウンスがあったので、すぐに合わせてジャーク&フォールで誘ったが誰にもヒットしない……。トンジギは過酷なゲームである。
このような状況が続いたが、沈黙が破られる。ミヨシで「きた」と叫ばれたが、ロッドは曲がっていない。アングラーも不思議そうに巻いて浮いたのは、ミズウオ。細い体に大きな口、鋭い牙の90%以上が水分という深海魚だ。しばらくして、ミズウオが再びヒット。嬉しくないゲストの代表みたいな魚だが、気配が出てきただけでも状況はよくなっているのか……。周りを見ると鳥が舞い、その下ではちょこちょことトンボが顔をだす。
無反応のまま鳥山も消滅
これは期待できると思うのだが、依然としてノーバイト継続中。せめて僚船でのヒット情報があれば活気付くのだが、他にトンジギ船は出ていないそうだ。自船のみで広大なポイントを探るのは不効率である。このポイントで粘るのか、移動するのか、船長も悩むだろうなぁ。ギリギリのところで船を出してくれた船長に報いるためにも頑張って結果を出さないと……。
風が弱くなってきたが、ウネリは継続しているので、1人2人と脱落していく……。反応は入らないが、100mラインをジャーク&フォールで探る。いつの間にか風が止まり船は流れない。400gのジグは重すぎて真下に落ちる。気配がなく、さっきまであった鳥山もなくなった。心が折れそうになるが、魚が沈んだのならジギングのチャンスは増すとポジティブに捉える。トンジギはどんな状況でもシャクり続けないといけない。
船中ヒットもフックオフ
巻き上げての合図とともにミヨシのアングラーにヒット。ロッドが大きく曲がっているので本命だろうが、残念ながらフックオフ。ヒットした水深は90mとのこと。バイトがあったので、このまま続けましょうとの船長判断ですぐにジグ投下。
このチャンスをモノにしたいと100mから探りだしたところ、一瞬重みがあったがフッキングできなかった。フォールを入れたが、連続のバイトはない。悔やんでいたら右のアングラーのロッドがブチ曲がり、ドラグが引き出された。こっちもこいと願うが、それは叶わずにヒットしたアングラーもフックオフ。負の連鎖が止まらない……。船長が当惑顔で潮上に戻る。
潮目を攻めヒット
ジグが払い出されないので、210gまで軽くしてアプローチ。時間的に残されたチャンスは少ない。100mラインで手応えがかわるので、潮目があるのだろう。間違いなくココが攻めどころだと確信してやっていると、大ドモのアングラーにヒット。やはり水深は100mとのこと。
80mまで探っていたのでフォールを入れて、100mからジャークしたらガツン。渾身のフッキングを送り、ラインを巻き込んで2度、3度と巻きアワセを入れるとジジッとドラグが滑る。「こっちもきたよ~100m」と共有する。