人間に素手で掴まれたサカナに起こるコト 「火傷する」は嘘だった?

人間に素手で掴まれたサカナに起こるコト 「火傷する」は嘘だった?

釣り人なら一度は「サカナは人間が素手で直接触ってしまうとヤケドをする」という話を聞いたことはないでしょうか。この件について調べてみました。

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その他 サカナ研究所

粘膜の消失が命取り

では、素手で魚を触っても問題ないかというと、そういうわけでもないのです。素手でサカナを掴むと、サカナの表面にある粘膜が取れてしまいます。粘膜が取れてしまうとサカナはうまく泳げなくなり、皮膚も傷んでしまうのです。

サカナにとってこの粘膜は非常に重要で、外界とのバリアになっています。空気中と違い、海に中には様々な寄生虫や微生物が漂っており、この脅威から体を守っているのが粘膜なのです。

人間に素手で掴まれたサカナに起こるコト 「火傷する」は嘘だった?リリース前提ならなるべく水から出さずに(提供:PhotoAC)

粘膜が全て取れてしまうと、様々な外敵が直接肌に触れてしまうため、すぐに病気になってしまったり、中にはうまく呼吸が出来なくなってしまうものもいるようです。

タオル等でサカナに触ってしまうとこの粘膜がすべてとれてしまうため、サカナを掴む際は専用のグリップでできるだけ接地面を減らすなど、注意する必要があります。

水温変化には弱い

また、サカナは急激な水温の変化にとても弱いです。私たち人間も急激な気温の変化で体調を崩してしまうことはよくありますよね。サカナも同じです。

観賞魚の飼育時に2~3℃水温が変化しただけで全滅してしまった・・・、なんてことも珍しくありません。

これらのことから、人間の体温でヤケドはしないとしても、人間に掴まれることはサカナに取って大きな負担となることは間違い無いでしょう。普段からサカナに優しく接することが、もしかしたら今後の釣果につながるかもしれないですね。

<近藤 俊/サカナ研究所>