全国的なブームを迎えているマグロ類を対象にしたジギング。なかでも盛んなのが、三重県から紀伊半島にかけての熊野灘を舞台にしたトンジギ(ビンチョウジギング)だ。重いジグで広いタナを誘い続けるゲームであり、ヒット後のファイトにも体力が必要だが、タックルのチョイス次第でハードルも低くなる。今回、効果的なロッド選定について、その基本と、テイルウォークのスタッフ相川琢眞さんによる熊野灘を舞台にしたフィールドでの実践をレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部)
釣船屋たにぐちで実釣
エイテックの相川さんと熊野灘を訪れたのは12月、乗船したのは三重県・南伊勢町宿浦の「釣船屋たにぐち/第八智嘉丸」。本格シーズンは始まっていなかったが、今季の状況を調査する目的での釣行となった。
ポイント到着は午前7時ごろ。魚探の反応をもとに、まずは水深70~130mまでの中層を広く探っていくことになった。
当日のタックル
ジグは350g、ロッドはtailwalkのSLOW BUMP(スローバンプ) SSD 634/FSL、リールはマーフィックスC3。ヒットパターンをつかむまでの持久戦を想定し、まずは身体的負担の少ない柔軟なロッドで、マグロ類が好むゆったりしたジャークで探っていく。
カーボンフルソリッドブランクスを採用したこのロッドは、柔軟に曲がり込む特徴を持ちながら、ジグの操作に必要な張りを持ち合わせており、ジグが楽に操作でき、かつ、ファイト時はバラシを防ぎつつ、アングラーへの肉体的負担を軽減してくれるロッドだ。
※メーカー注:上写真は、ドラグ設定、負荷を厳正に管理して行っているので、むやみにこのように負荷を掛けるのは避けてください。
ガイドもスパイラル仕様となっているため、強い負荷が掛かっても、ロッドや手首にかかるねじれの荷重を受け流してくれる。
相川さんは、先日の南伊豆釣行でも、同シリーズの634/FSLで26㎏のビンチョウ(ビンナガ)をキャッチした。曲がるロッドを使うことで、よりライトに、大型回遊魚をいなして釣ることができるのだ。
高弾性ロッドへ変更
ジャークを開始して1時間ほど経過、潮もよく流れるようになったが、風も強くなり、ジグがどんどん流される状況になった。
ここで、相川さんはジグを400gとし、ロッドも全体的に張りがあり、ワンランクパワーのあるSLOW BUMP(スローバンプ) SSD 635にロッドを変更。イトふけが大きくなる状況下、ジグをしっかりアクションさせるべく、カーボンチューブラーの弾性の高いロッドとした。
モンスター級ヒット
ジャークを開始してしばらく。スローなワンピッチで探っていると、100mほどのタナでアタックが。そのまま誘い続けるとドカンとヒット。直後から猛烈なファーストランが始まる。
マーフィックスC3のスプールが逆転し、どんどんラインが出される。カーボンドラグワッシャーの制動力を頼りにレバードラグを目いっぱいかけ、指ドラグも駆使して、なんとか止めることに成功。相手はおそらくモンスター級のキハダだ。反撃の機会を伺うが、ここで恐怖のセカンドラン。引き続き、指ドラグで食い下がったが、ここで痛恨のフックアウトとなってしまった。