タングステンは比重が大きい特徴を持つ、ここ数年注目を浴びている素材です。これをスーパーライトショアジギングに用いることに、どのようなメリットがあるのでしょうか?弱点も理解した上で、上手に使って魚を釣りましょう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
タングステン製ジグとは
タングステンとは、釣具に使われる通常のナマリよりも、1.7倍程度の比重を持つ素材です。
タングステン製のジグ=普通のメタルジグの1.7倍の比重がある、と考えればわかりやすいでしょう。具体的に言うと、理論上、同一の重量ならば、普通のジグよりも1.7倍シルエットを小さくできます。このシルエットのコンパクト化、重量の凝縮化(?)がもたらす恩恵は、あまりにも大きなものがあります。
5つのメリット
タングステン製のジグには、次の5つのメリットがあります。
1、飛距離が伸びる
同一重量で投げ比べてみるとわかるのですが、タングステン製のジグはよく飛びます。飛距離まで1.7倍とはなりませんが、「ひとのび」「ふたのび」はする印象です。遠くのナブラを打ちたいとき、より遠く飛ばせることには、絶大な強みがあります。
2、フォールスピードが速い
シルエットがコンパクトな分、水の抵抗が減り、海中でのフォールスピードが速くなります。筆者の検証では、同一重量で着底まで、タングステン製の方が10カウント早くなることもありました。フォールスピードに食ってくる高活性な魚に対して、アピール力がアップします。
3、ジャークが軽い
やはりシルエットがコンパクト化される分、水の抵抗が軽いからでしょう。ジャーク、ルアーのアクションというものが、タングステン製は間違いなく軽いです。長時間アクションを続けるSLSJでは、釣り人の疲労を減らしてくれる、これもうれしい美点といえます。
また、ロッドのルアーウェイトを多少超えていても、同一重量ならば、タングステン製のジグは「ジャーク感」とでもいうべき、水中の抵抗感がそんなにかわりません。多少重いジグを投げたときも、気持ちよくアクションさせられます。
4、風やシケに対応できる
これもすごいことですね。風、シケ。荒れた海のコンディションにタングステン製ジグならば対応できます。飛距離や水中でのアクションは多少スポイルされますが、それでも通常のジグで「釣りにならないレベル」を「釣りができるレベル」まで押し上げてくれるのは素晴らしいことでしょう。
そして、多少シケたり波っ気、風っ気がある方が、実はよく魚は釣れてくれるものなのです。
5、底が取りやすい
普通の20gのジグでは着底しない。でもタングステン製のジグならば軽く底が取れる。そういうことがよくあります。1.7倍の比重の重さは、「底を取る」というSLSJの基礎をきっちりと成立させます。