全国猛暑ランキングで上位を常にキープする群馬県館林市にも、ようやく秋の気配が濃厚となった。こうなると竿を出してみたくなるのが、近藤沼だ。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース棚網久)
近藤沼の概況
アタりっきりにはならないが、そこそこのペースが、かえって心地いい。思考回路をフル回転させ、良型をゲットできた時の喜びは、魚影特濃な釣り場での束釣りにも匹敵する。さ あ近藤沼の宙釣りは、これからが本番だ。
近藤沼がある館林邑楽地区は、利根川と渡良瀬川に挟まれた低湿地帯で、今でも数多くの池沼が残る。
なかでも八重笠沼、多々良沼、城沼、板倉沼(群馬の水郷)、そして近藤沼は「東毛の五沼」と呼ばれ古くから釣り人に親しまれている。
かつては一つの沼だった近藤沼だが、昭和50年から行われた土地改良事業により3つに分割され現在に至る。それぞれの沼にヘラブナは生息するが、もっとも魚影が濃いのは中央の沼。春の乗っ込み期なら、水深が浅い西の沼が人気だ。
ポイント
この時期は中央の沼、東の沼に架かる浮き桟橋から狙うのがポピュラーとされる。とくに魚影が濃い中央の沼が人気で、なかでも桟橋が折れ曲がった地点を中心に桟橋東端にかけては水深が深く、長竿のチョウチン釣りも可能。
釣り人もこの周辺に集中する傾向が強く、連日のエサ打ちによってアタリ出しも早い。サイズを問わず、チョウチンから浅ダナまで幅広く楽しみたいなら同エリアがイチ押しだろう。
数よりもサイズを望むなら、同桟橋の西端が面白い。桟橋中央付近から西端にかけて水深が極端に浅くなり、居着きのヘラが減るかわりに回遊ベラを狙える。大型はおもに中央の沼の西寄り沖め付近を回遊しているので、桟橋西端付近から長竿で狙うのがオススメ。
底釣りなら中央の沼・西岸にある、やや沖に張り出した既設桟橋から狙うのがオススメ。前述した桟橋西端よりもさらに水深が浅いので、底釣りをしてもマブナの確率が高くない。逆に水深が5m以上もある所で底釣りをすると、マブナの餌食になりやすい。
ならば水深がさらに浅い西の沼ならどうかとなるが、春の乗っ込み期以外は本命の魚影が薄いためマブナ、カメなどのゲスト三昧に陥りやすい。
なお東の沼にも浮き桟橋が架けられている。しかし魚影が薄いためか、こちらを狙う人が少ない。だが逆に、静かに釣りが出来るとも言えるので、あえて狙うのであれば二分割された桟橋の東側がいいだろう。
釣り方とエサ
近藤沼での基本的な釣り方とエサを紹介しよう。
ノーマル宙釣り
10月いっぱいエサは両ダンゴでいい。魚影が濃いとは言えないので、集魚効果を出すためにボソタッチが基本。硬くするとアタリは出やすいがカラツンも多いので、どこまで軟らかくするかがキモ。ペトコンにしてもいいが長続きしないので、すぐにフォローエサ(ボソっ気が残る基エサなど)を打ちたい。
大型狙いの宙
中央の沼・浮き桟橋の西寄り(浅場)限定になるが、春と秋は竿16尺以上のタナ1本前後で、尺半前後の大型が狙える。両ダンゴでもいいが、あえて集魚力の弱いマッシュ系両ダンゴを使ってみるのも面白い。
小バリではエサを持たせづらいので、ハリは上下ともギガリフト13号以上、それに合わせてトップの浮力もサイズアップさせる。
エサはマッシュポテト400cc+巨べら100cc+カクシン100cc+水400cc。数分放置してから30回ほど強めにかき混ぜれば、硬ネバボソに仕上がる。最初はそのままのタッチで打ち、カラツンが出始めたら手水で軟らかくする。
両ダンゴと同様にペトコンは決めアタリを出すための最終兵器とし、その後のフォローエサはしっかり打ち込みたい。大エサをぶら下げて長時間待つのではなく、小エサの硬ネバボソをテンポよく打つほうがベターだ。
底釣り
水深3m以内のポイント(陸釣りなど)なら底釣りもあり。春と異なり岸近くの回遊は望めないので、できれば竿15尺以上は出したい。
魚が底にべったり着いていないので、ハリスを長めにして落ち込みから反応させるとアタリにつながりやすい。流れが出やすいので、速いリズムの釣りをしたほうが流れ対策にもなる。
以下は仕掛けとエサの配合例。竿15尺以上、道糸1~1.2号、ハリス0.5号50-60cm、ハリ上下ともリフト5号、ウキは底釣りタイプのPCムクトップ。
エサはダンゴの底釣り芯華、バラケマッハ、水が各100cc。
<週刊へらニュース棚網久/TSURINEWS編>
近藤沼
入釣料:¥500(現場徴収)、釣り台必携(桟橋が傾いているため)。