9月といえば、新子アオリイカのシーズンだ。状況を探りに兵庫県の大蔵海岸へエギングゲームに出かけた。2日間で12杯をキャッチした釣行をお届け。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター森英雄)
夜明け前に本命登場
一杯目が釣れたのは夜明け前だった。
まだ薄暗い時間帯。アオリイカ特有のクンクンという小気味いい引きで上がってきたのは、エギ王Qライブ 2号(レッド赤グローカラー)よりも少し大きい程度のアオリイカの新子だった。暗い時間であれ明るい時間であれ釣れるのはもちろんうれしいが、アオリイカの新子はサイトフィッシングで釣るのが楽しい。だから新子エギングの本番は明るくなってからだ。
夜明けても視認できず
しかし、夜が明けてサイトフィッシング本番になっても、アオリイカの新子がまったく確認できない。足元までしゃくってきたエギの周辺を見回すが、イカらしい姿が見当たらないのだ。何度かエギを投げてはポイントを少し移動しながら探っていくが、エギを追ってくる新子の姿はない。この時季にアオリイカの新子がいないはずはないので、ポイントがズレているのか、はたまた他に要因があるのか……?
潮動くと新子登場
そんなことを考えていた時にふと思い当たったのが潮の動き。今日は長潮だ。ただでさえ大きく動かない潮の上に、明石海峡の潮流図を確認するとちょうど上げ潮から下げ潮にかわったタイミング。潮が動いていないから新子の反応がないのだろう。そう考えてしばらくは辛抱強くエギを投げ返すことにする。
夜明けから小一時間も経ったころ、エギの後ろを追ってくる3杯の新子の姿が見えた。潮が動き始めたのか、ようやくイカの反応が出てきたようだ。イカをはじめ海の魚は潮の動きに実に正直だ。
サイトフィッシング開始
エギを投げ返してシャクってくると、先ほどの3杯以外のイカもエギを追ってきた。ここからが新子アオリイカのサイトフィッシングの本番だ。エギを水面直下までシャクってからピタッと止める。チャンス!とばかりに新子はエギに飛びかかろうとするが、エギの寸前でストップ。そしてゆっくりと後ずさりしていく。
イカが遠ざかるのを見て、止めていたエギをフリーフォールさせる。獲物を逃がしては大変!とばかりに新子が飛んでくるが、途中でエギを追いかけるのを止めてしまう。もう一度水面までエギをシャクって止める。エギを取り囲んで様子をうかがっていた新子が飛んでくるが、やはりカンナの数cm手前でピタッと止まった。
イカと遊んでいるのか、イカに人間が遊ばれているのか……。しかし新子がエギを抱きそうで抱かないハラハラドキドキのやり取りこそ、アオリイカの新子エギングの醍醐味である。