9月7日、最新のテンヤ釣りの可能性を探るべく、株式会社オーナーばりの今永さんと愛知県の伊勢湾と伊良湖沖で実釣と検証を行った。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 五井貴矢)
伊良湖沖で特別釣行
さて、いよいよ伊良湖沖のドラゴン級を狙った検証実験の話。船は同じく忠栄丸で、午前のタチウオ便が舞台。伊良湖沖でのタチウオ釣りは、本来オモリ80号のテンビン釣り。乗合便では原則テンヤはできない。今回は、忠栄丸山下船長の協力のおかげで、あくまで実験として実現した。
到着したのは水深70~90mのポイント。水深60mのところにタチウオの反応が現れた。今永さんは、先のタックルに掛獲船太刀魚テンヤの60号をセットし投入する。
開口一番にヒットを得た今永さん。上がったのは指4本級のタチウオ。このあともレギュラーサイズを追加していく。ヒットパターンは、60mまで仕掛けを降ろし、リール半回転でひとシャクリするジャークを鋭く2回入れ、1~2秒ステイ。これをくり返し誘い上げていくと、52~53mで食ってくる状態が続いた。
大型タチウオを狙い撃つ
テンヤのメッカ大阪湾などで大型を狙い撃つための定説とされているのが、ゆったりした遅めの誘いを行うこと。フィッシュイーターは好奇心の強い若い個体ほど、派手な動きを好む傾向がある。タチウオも同様だ。
ただし、海域によっては異説もある。このため、今永さんは先にも述べたスタンダードな誘いで、相手の出方を探っていった。
昼前に時合いが再来。ここで、これまでにない引きが今永さんのサオを曲げた。サオを立ててファイトする今永さん。タチウオの急な突っ込みがあったとき、サオを送っていなせる距離が大きくなるからだ。曲がりの少ない極先調子のサオでは、掛かったサイズを問わずこの方法が有効だ。
指6本級が登場
キャッチしたのは指6本級の見事なタチウオ。待望のドラゴン登場に船上は喝采に包まれた。しかし、ドラマはこの一発では終わらなかった。
指8本級を追加
しばらくして再び今永さんにヒット。アワセと同時にドラグが鳴る。やがて海面に現れたのは先ほどを上回るサイズのタチウオ。慎重を期して私がタモで救おうとしたが、これがいけなかった。相手が長すぎてタモに入らない。そのうち船が大波に乗り、次の瞬間ドラゴンは海中に姿を消した……。
今永さんに平謝りしたあと、船長とキャビン越しに話していた矢先。またもやドラグ音が響きわたった。大ウネリが邪魔するなか、逃すことなく相手を寄せる今永さん。海面に現れた巨体を躊躇なくラインをつかんで抜き上げた。
船上に横たわったのは、指8本のモンスター。ドラゴンというか、もはやラスボスだ。
伊良湖沖での最終釣果
宿敵ドラゴン……いや、ラスボスを倒したあとも、今永さんの快進撃は止まらず、さらに指6本のタチウオを追加。
キャッチした総数は40匹、当日同船したテンビン釣りの釣果を数で上回っただけでなく、数十匹に1匹交じれば万々歳のドラゴン級を、4匹も掛けたのは驚くべき事態。伊良湖沖でのテンヤタチウオゲームの破壊力を示す大快挙となった。
伊良湖沖での注意点
先にも触れたが、伊良湖沖でのタチウオ釣り(当エリア各船の午前のタチウオ便)は、原則テンヤでの釣りはできない。どうしても希望する場合は、船を仕立てるか、船長と相談し、快諾してもらえた場合のみ行うこと。
だが、いつか環境が整えば、伊良湖沖でもテンヤタチウオ釣りが楽しめる日がやってくると思う。