「山本太郎」の好釣果へのターニングポイント:渚釣りで43cm手中

「山本太郎」の好釣果へのターニングポイント:渚釣りで43cm手中

名手・山本太郎氏が実釣を通して当日の模様を詳しく解説していく『チヌ釣り伝道師!山本太郎の好釣果へのターニングポイント』。今回は番外編。太郎さんの渚釣り釣行の模様をお伝えしよう。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

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堤防釣り 海釣り

渚釣りでクロダイを狙う

「愛知県も三重県も少しずつコロナの感染者数が増えてきましたね。今回は近場で手軽にチヌを狙ってみませんか?」ということで、釣り場は太郎さんにお任せ。

取材日は8月4日と決定したが、前日釣り場を確認すると、場所は太郎さんの自宅から30分ほどの距離にある下御糸(しもみいと)漁港~大淀漁港間に位置する浜。どこかの波止でウキダンゴ釣りか前打ちを考えていたが全く違った。

浜で渚釣りか?「そう、水深が浅いので満潮前後がベストですが、なんとかなるでしょう。少しでも涼しい早朝に釣って昼には終了しましよう」と軽い返事。当日の天気予報は曇りのち晴れ、気温が上がり猛暑になるらしい。

午前4時30分ごろに三重県明和町のコンビニで太郎さんと合流し、たっぷりの飲み物と朝食を買い込む。釣り場までは10分ちょっとで到着。しかし、当初予定していたサーフは投げ釣り師の車が止まっていたので、少し離れた岩場ポイントへ向かった。

浅場で釣れる?

潮は若潮で干潮が午前9時12分。明るくなってきた午前5時ごろにタックルの準備を済ませる。南の空にはすごい雷雲で雨が降っている様子。こっちにはこないだろうかと言いながら歩いて5分ほどでポイントに到着した。

「山本太郎」の好釣果へのターニングポイント:渚釣りで43cm手中タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)

ポイントも車から近くて楽だが、見る限り浅くて沈み根なども見当たらない。本当に釣れるのかと聞くと、「これが釣れるんですよ。まだ暗くてよく見えないですが、明るくなると足元でチヌがかなり見えますよ。水深も2mないですが、前回は最大で49cm。2ケタは無理ですが、40cm前後中心に3~4匹は釣れますよ」と言う。

遠投するのだろうか。「いや、あまり遠くだと逆に釣れませんね。夏から秋にかけてはせいぜいサオ3~4本程度かな」と太郎さん。

まきエサを準備

やがて周囲が明るくなってきたところでまきエサの準備に取り掛かる。まきエサは生オキアミ6kgに湾チヌスペシャル1袋、チヌパワー激濁り1袋をよく混ぜ、海水を加えて終了。

「山本太郎」の好釣果へのターニングポイント:渚釣りで43cm手中当日使用した集魚材とさしエサ類(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

早速、ポイントとなる前方20mほどに柄杓で10杯ほどまきエサを打ってチヌを寄せる。さしエサはくわせオキアミスーパーハードL、スペシャルL、さらにエサ取り対策として食い渋りイエローを用意した。

辛抱強くチヌを寄せる

早速、オキアミを刺して投入した。前日かなり雨が降ったようでラインにアマモが頻繁に掛かって釣りづらそう。それでもライン操作を繰り返しながらアタリを待つがフグもアタらない。「まあ最初はこんなもんですよ。イカダみたいに毎日人が入ってまきエサをしている所とは違いますからね」と。確かにその通りだ。「2~3時間くらいしたら何か反応がでるでしょう」と太郎さん。

「山本太郎」の好釣果へのターニングポイント:渚釣りで43cm手中まきエサを作る(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

しかし、時間の経過とともに曇り空で涼しかった開始直後と違い、真夏の太陽が顔を出して暑さが増してきた。こまめな水分補給は忘れずに。

初めて反応が出たのは午前8時ごろ。ウキにチョンチョンと前アタリがきた直後、スーッと沈んだ。すかさずアワセを入れたが、姿を見せたのはフグ。「やっとまきエサが効いてきたかな。これからですね」と太郎さん。

けれどフグもこの1匹だけで後が続かず、そのまま2時間ほどが経過してド干潮に。「だいぶ潮が下がって水深も1m強くらいかな。ウキ下を調整します」と仕掛けを回収。ここはなぜかいつも昼前ごろから突然アタリが出るらしい。

本命顔見せもミニサイズ

ここで軽く朝食を取りながら15分ほど小休止。さらにまきエサを打ちながら投入を繰り返していると、「エサが取られ始めましたよ。そろそくるかも」と真剣にウキを見つめる。そして午前11時ごろ、突然アタリがきた。

ウキに前アタリが出た後、ラインが走った。アワセを入れるとしっかりハリ掛かり。けれど不満そう。姿を見せたのは23cmのクロダイ。「ここでこんな小さいチヌ釣ったのは初めてですよ」と苦笑い。そして、なぜかこのサイズが1時間ほどの間に3匹ヒット。「おかしいなぁ。なんでこんなサイズが……。やはり潮が低いと厳しいかなぁ」とつぶやく。

しばらくすると、南西の風に変わり、潮も徐々にだが上がり始めた。ところが、急にエサが取られたり、まったく取られなかったりと大苦戦。「今日はあかんのかなぁ」と少々弱気な発言が。

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