釣ってよし食べてよしの、夏を代表するサカナ「マゴチ」のちょっと変わった生態について調べてみました。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
マゴチってどんなサカナ?
マゴチは、スズキ目・カサゴ亜目・コチ科・コチ属に分類されるサカナです。非常に美味な魚で、古くから江戸や大坂、名古屋などでは、夏を代表する白身の高級魚として親しまれています。
少し前までは東京湾奥や神奈川県の相模湾でたくさん獲れていたため、ヒラメよりも安価で食べられる高級魚として「江戸前マゴチ」が人気でした。
マゴチの旬は8月頃の真夏で、そのころに水揚げされたマゴチは「照りゴチ」と呼ばれ、ブランド化されているほどです。
生息域
生息地は、水深が30~40m以下の砂地です。
太平洋川沿岸では、青森県、または宮城県から九州南岸、日本海側では山形県、または福井県から九州南岸に生息していると言われています。
砂地や砂泥地を好み、海底でじっとしていることが多いです。
肉食で獰猛
マゴチの食性は肉食で非常にどう猛です。エビやカニ、小魚まで口に入るもの生き物ならなんでも捕食してしまいます。
見た目にもわかるように平たく扁平した体型、さらに周囲の砂の色に合わせて体色を変化させる能力を持っているため、海底の砂の上に隠れることに非常に適しています。
そして、自分の真上を獲物が通った時には一気に襲い掛かり、丸呑みをするように捕食します。
浮袋が無い
マゴチの身体的な特徴としては、浮き袋を持っていない点が挙げられます。そのため、常に海底付近で生活しており、他のサカナのように泳ぎ回ることが得意ではありません。
エサとなる小魚を追って泳ぐことはあっても、表層付近まで上がってくることはほとんどなく、海底付近でエサが通りかかるのをじっと待っています。
マゴチの名前の由来について
マゴチはもともとは単に「コチ」と呼ばれていましたが、1991年に、同種とされていた、やや沖合にいて、目がやや大きいコチが、マゴチの近似種・ヨシノゴチとして別種とされたため、在来のコチが、後付けで「マゴチ」と言う名称になりました。
また、マゴチは漢字では一般的に「真鯒」と書きますが、「真牛尾魚」と書くこともあります。
生まれたときは皆オス
マゴチは雄性先熟魚で、生後2年程度まではすべての個体がオスで、以後、体長が40cmを超えてくるとメスに性転換することが知られています。
同じような生殖方式をとるサカナとしてはカクレクマノミは生まれたときは皆メスである雌性先熟魚として知られています。
サカナによって様々な生殖方法があるのも魚類の大きな特徴ともいえますね。