この時期、スーパーの魚コーナーや鮮魚店の店頭にうなぎがたくさん陳列されている光景をよく目にします。そしてあちらこちらに「土用の丑の日」の文字。そもそも「土用の丑の日」ってなんなんでしょう?
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2021年の土用丑の日
2021年の土用の丑の日は、7月28日(水)。
誰もが土用の丑の日に、一度はうなぎの蒲焼きを食べたことがあるほど、日本の伝統風習でもありますが、本来の意味を知っていますか?
「土用」の意味
実は、土用とは「季節のかわり目といわれる時期」をさす、立春・立夏・立秋・立冬前のおおよそ18日間のことです。そのため、年4回土用の丑の日はありますが、夏の土用の丑の日は、うなぎを食べる風習があるため認知度は高いのでしょう。また夏の土用の丑の日は、2日となる場合があるため、1回目の丑の日は一の丑、2回目の丑の日は二の丑と呼ばれます。
土の神様が活発?
さらに、土用とされる期間は、土の神様「土公神(どくうじん)様」が活発であることから、土いじりや草むしりなど、土を掘り起こす行為や、増改築をはじめることを避けたほうがよいと言われています。
ちなみに、2021年夏の土用は、7月19日(月)から8月6日(金)となるため、この期間は、なるべく土いじりを避けて過ごしましょう。
なぜ、うなぎを食べるの?
夏の土用の丑の日といえば、うなぎを食べる風習がありますが、なぜうなぎを食べるのか疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。これには面白い逸話があります。
江戸時代に発明家の平賀源内が知人のうなぎ屋から「夏にうなぎが売れなくなるため、どうすればいいだろうか?」と相談を受けたそうです。
そこで、平賀源内は「丑(う)の日だから『う』のつく食べ物を食べると縁起がよい」という語呂合わせを考え、うなぎ屋に「本日は土用の丑の日」と書いた張り紙をしたところ、大繁盛しました。
それ以降、ほかのうなぎ屋でもこのアイディアを真似して、現代にまで根強く残る風習となったそうです。
ウナギの旬
本来、うなぎの旬は、秋から冬になる時期です。
そのため夏は、うなぎに脂が乗っていないことや、蒲焼きのように味の濃いものを好んで食べる人が少なく、うなぎが売れなかったのです。
しかし、昔からうなぎは精のつく食材と親しまれていたため、夏を乗り切るよい風習として定着したのでしょう。
<金山佳央梨/TSURINEWSライター>