シチュエーションは様々だが、ワカサギを採取する方法として一般的なのは「釣り」だろう。ところが、真冬の琵琶湖ではちょっとかわった方法でワカサギを採ることができる。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・落合浩大)
琵琶湖のワカサギすくい
一般的にワカサギと言えば、真冬の寒い時に氷の上で氷に穴を空けて、そこから釣りイトを垂らして釣るのが広く知られている、ワカサギのイメージではないだろうか?
しかし、ワカサギを釣るのではなく、ワカサギを網で「すくう」となれば皆さんなかなかイメージが湧きにくいのでは?それが、ブラックバスの聖地である琵琶湖ですくえるのだから面白い。
温暖化で個体数減少も
まずワカサギすくいの説明へと入る前に、ワカサギという魚の説明を。ワカサギはキュウリウオ目キュウリウオ科の魚である。大きさも、おおよそ15cmほど。まあ、15cmもあればシーバスで例えるとランカーサイズといったところか。生息域は湖や汽水域湖で、太平洋側は千葉県より北部。日本海側では島根県より北部。冷たい水を好む魚である。
私の故郷である島根では、30年ほど前は汽水湖の宍道湖や中海で飽きるぐらいにワカサギが釣れていて、真冬の風物詩となっていた。特に氷の上で穴を空けてという釣りでもなく、サビキでアジを釣る感覚でワカサギ釣りを楽しんでいた。それから時を経て、温暖化の影響で宍道湖や中海では個体数が減っていき、今では完全に幻の魚となってしまった。
そんな子供のころから身近な存在であったワカサギ。それが琵琶湖で、しかも網ですくえると聞いたのが数年前。タイミングが合わなくてなかなか行けなかったのだが、今年に入ってようやく念願のワカサギすくいへと行ってきたのだ。
シャローエリアを狙う
琵琶湖北湖西岸エリア。真冬の夜になると、このエリアにもワカサギが産卵のために、シャローへ上がってくる。ヘッドライトで照らしながら浜辺を歩く。すると産卵のために波打ち際を泳ぐ魚を見つけることができる。それがワカサギである。波打ち際にいる個体を素早く網ですくうのだ。
大人も子供も楽しい夜遊び
単体でいる魚や群れでいる魚と様々。魚も素早いのでもたもたしていると瞬時に沖へ逃げてしまう。群れがいれば、上手な人は一度に4、5匹ぐらいすくう人もいるとのこと。ひたすら、真っ暗な浜を歩きワカサギの群れを見つけては網ですくう。夜な夜な時間も忘れ、大人も子供も楽しめる真冬の夜遊び。それが真冬のワカサギすくいである。
<落合浩大/TSURINEWS・WEBライター>