今さら聞けないカサゴゲームのキホン:「根潜り」への対策術とは?

今さら聞けないカサゴゲームのキホン:「根潜り」への対策術とは?

カサゴゲームは楽しい。特に良型を掛けた時の「一瞬」のアワセにはゲーム性がある。根に潜られると条件次第では終戦。これをなんとか封じることにゲームの面白さがある。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)

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井上海生

フィールドは大阪近郊。ライトゲームメイン。華奢なアジングロッドで大物を獲ることにロマンを感じます。

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カサゴゲームで厄介な「根潜り」

カサゴは海釣りのボーズ逃れにも好ターゲットである。そして専門的に狙っても面白さがある。比較的「ちょろい」魚ともいえよう。どんな釣り方にも反応するし、数も釣れる。しかも食味は良いときていて、何気に刺し身など、あまり寿司屋でも供されない高級魚の一面もある。

しかし、カサゴゲームをいつでも楽勝と考えてはいけない。というか、筆者自身、この一年でそれを痛感させられた。おそらく根に潜られてそのままロストしたのが、今年だけでも30尾はいるのではないか。

岩礁帯というカサゴの「ホーム」なら、小型でもまったく気が抜けないし、大阪南港のような湾奥波止というリリースメインのエリアでは、通年巨大なカサゴが食ってきて、特にライトゲームロッドでやっていると根に潜られて敵わない思いをする。

20cm級からは、おそらく根魚の習性のようなもので、根に猪突猛進するカサゴ。この潜る動きをどのように封殺しようか。それぞれのタックルの条件別に、考えてみたい。

今さら聞けないカサゴゲームのキホン:「根潜り」への対策術とは?20cm以上になると根潜りを警戒(提供:WEBライター・井上海生)

ライトゲームロッドでの対応策

メバルロッドの場合は、案外、根に潜る動きを止めやすいように思う。というのも、メバルロッドはバットが強い。軟らかいティップで乗せの釣りになるが、バットが効くのでフッキング一発でちょっと根から浮かせられる。そのまま釣りきれることも多い。

アジングロッド

困るのが、アジングロッドだ。筆者はアジングロッド6.4ftを通年、メインロッドとしてあらゆる釣りに使っていて、歯の鋭い魚を除いて他の大型魚にもすべて対応尾している。が、灯台下暗しというべきか、海釣りの基本ターゲットでもあるようなカサゴへの対応力が、実はアジングロッドはかなり低い。華奢なロッドの設計のせいもある。バットが弱いのは短所だ。

今さら聞けないカサゴゲームのキホン:「根潜り」への対策術とは?カサゴで苦労するアジングロッド(提供:WEBライター・井上海生)

唯一、長所ともいえるのはパッツン系アジングロッドならではの反響感度だが、ほとんどの場合、カサゴはリグを堤防際に落として横リトリーブで釣るものだ。

反射的に素早くフッキングしても、ロッドのショートレングスとライン角度ゆえに、浮かせようとする動きがカサゴの口元までダイレクトに伝わらないのか、潜られて負けることが多い。またアジンガーは基本的にアジ相手のフッキングが手に染み付いているので、根魚に対する強めのフッキングが反射的にできないということもある。

メバリングロッド

メバリングロッドでも、軟らかすぎるソリッドティップロッドでは、結構、居食いから根に潜られてのロストがあったりする。こういったミスを防ぐためには、何より、ドラグだ。強めに設定しておく。そうすれば、掛けた瞬間にラインがグンと踏ん張って、とりあえず初速を止めてくれる。そこからはゴリ巻きして浮かせれば、なんとかなる。

バスロッド

バスロッドでカサゴゲームを楽しむアングラーも多いだろう。多いのはL~ML調子くらいだろうか。これくらいの調子なら、ロッドそのものの力で根に潜る動きを制御できる。掛ければフッキング一発で根から浮かせて、一方的に釣りきってしまおう。

カサゴは上を向かせれば後はすんなりと上がってくる。それが釣り味が単調でつまらないといわれがちな理由だが、私の経験上、尺クラスになると「チヌ?」と思うようなガンガンと頭を振る動きも入れてくる。そういう大型相手のカサゴゲームでの、上を向かせるまでのバイト一発勝負という部分はすごく楽しい。

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