磯のフカセ釣りではグレの釣果が上向いてきている。梅雨時期のグレは食い活発で数釣れるのが特長。初心者の入門にももってこいなので、ぜひ参考にしてほしい。解説はこの釣りの名手・前西喜弘さん。梅雨グレ攻略のいろはをチェックしよう!
沖遠投の釣り方
梅雨グレの狙い方だが、エサ取りの種類や潮流、地形などを考えると、いくつかのポイントがあって、「遠く」、「浅く」、「軽く」という三つが、高水温期のグレを釣っていく私の基本にしている事柄だ。
グレの潜んでいそうなストラクチャーや沖の潮目などがあれば、ダイレクトにそこへ仕掛け、まきエサを入れ、グレにアプローチする。
「遠く」のポイントのグレは比較的警戒心も薄くなりがち、まきエサに浮きやすく摂餌も大胆に「浅く」なる傾向がある。
ウキ下は深くてもサオ1本!浅い時は50cmくらいで釣る場合もある。
いったん浮くと時合いが続き、数釣れてくるのも魅力!仕掛けを0~00号負荷にし「軽く」釣るのがコツだ。
オセンや赤ジャコ、シラコダイにコッパグレといったエサ取りは案外一定以上の沖に出ることがなく、遠投で釣ることによってかわせる場合が多い。
もう一つこの時期特有の釣り方も紹介しておきたい。
厄介度ナンバーワンのアジ、サバがエサ取りに居る場合や、沖が全く無反応な場合だ。
これらのエサ取りは、どんなに遠投しようとも執拗にさしエサを狙ってやってくる。
まきエサワークでかわそうとしても太刀打ちできない数が集まっていることが多い。
こんな場合は、かわすことをあきらめ狙い場をかえることが必要になる。
磯際を釣るか、サラシがあれば狙いたい。
サラシの狙い方
サバやアジなどはサラシの白泡の中や磯際などではその数がいくらか少ないからだ。
サラシ場を釣る場合、段シズや口ナマリを付けてなじませる努力をするのが一般的だが、私は逆の攻め方をして釣果を上げている。
一切ハリスにはオモリを付けず、サラシの白泡の中にできるだけさしエサを漂わせて、下層から飛び上がってくるグレを狙うのだ。
具体的には、ウキの浮力はB程度、ウキ下1.5ヒロに遊動部を20~30cm取り、オモリはBのみハリスとミチイトの直結部分に打つ。
サラシが静かな時ではなく、真っ白になった時に、できるだけそのど真ん中に仕掛け、まきエサを打ち込む。
サラシがきつくても遊動部分が20~30cmならウキ止めまでウキが到達するだろう。
そのままにしておくとウキ自体がシモッてしまう。
シモればラインを引き戻してウキを浮かしながらさしエサをなじませないように操作するのが、この「飛びつきグレ釣法」の特長。
グレが急浮上してさしエサを食うと、必ずウキは横走りで入る。
このパターンで釣れるグレは、私の経験上では40cmを超えるものも多く、尾長グレも高確率で掛かってくる。
ハリスはもちろん2~2.5号は必要だ。
体積の大きい太ハリスはさしエサをなじませない!大グレとも勝負できる!一石二鳥であることも付け加えておきたい。
さしエサは生のオキアミ、ハード加工オキアミ、ボイルオキアミ、この3種はほしい。
釣り方では触れなかったが、アジ、サバなどは大きめのボイルオキアミを使い、食い込みよりもエサ持ち重視で使用するが、それ以外はハード加工オキアミと生オキアミを使用する。
よくこの二種を混同している方がおられるが、全くの別物である。
ハード加工オキアミでエサがかじられて上がってくる場合は、生オキアミにかえると即ヒット。
逆に生オキアミでアタリがないままさしエサが取られれば、ハード加工オキアミを付ければグレアタリ!といった具合である。
サイズアップするために
最後になったが、エサ取りをかわすため、サイズアップを計るためのまきエサワークについて。
エサ取りやサイズの小さいグレを分離してかわすまきエサワークも必要だが、その数が多すぎてどうにもならない場合はどうするか?
それは、あちこちを釣らずポイントを一つにきめて釣り続けることだ。
グレはまきエサを食べてお腹いっぱいになれば活性が下がってしまう。
これはエサ取りも同様である。
しかし、コッパやエサ取りの下層にはまだ満腹になっていないサイズのいいグレが居ることもあるのだ。
小中型グレの数釣りの梅雨グレシーズンと思われがちだが、そんな中40cmアップが揃ったり、大型グレが釣れたりすることもある。
釣りをやめてポイントのエサを切ってやるのも効果がある。
<前西喜弘/TSURINEWS編>