釣り人なら誰しも行ってみたい世界遺産知床。秋~冬の時期は、北東の風の日が多く、出船できる日も限られる。今回は流氷を迎える極寒の知床ウトロ釣行を指南してみたい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・前島宣秀)
秋~冬の知床で船釣り
秋から冬の知床では、五目釣り(ホッケ、アオゾイ、マダラなど)がメインターゲットだが、10月中旬はマイカ、カレイ、11月に入ると白子が入ったマダラやオヒョウ狙いにも出船する。
タックルと釣り方
では、ここからは各魚種狙いのタックルや釣り方などについて紹介していきたい。
ホッケ五目釣り
ホッケ五目釣りは電動リールがディープゾーンGS、シーボーグ500番相当、PEライン6号、オモリ250号、仕掛けはピンクのソイ・ホッケ・蛍光ピンクスキンバルン巻8本鈎の胴突きが基本だ。
この仕掛けはサクラマスやマダラも釣れ、通年の仕掛けになる。海底まで沈め、1m巻き上げてのステイが基本だ。ちなみにエサは不要。ホッケは回遊しているので、船長から都度指示あり、「底、10m上、20m上」など、的確な指示が出るので、リールのカウンターは必ず合わせておくことが重要だ。
魚が掛かったら竿を揺さぶったり、リールのハンドルを1回転させての追い食いを待つ。狙うはパーフェクトだ。この時期はウトロ漁港近くの水深40mラインでの釣りが多い。
ホッケジギングも
ジギングでもホッケが狙える。ジグは赤キン180gを使ったスロージギングが主流。PEライン2号にショックリーダーは40lbが基本。手巻きリール使用が大半だが、筆者はシーボーグ200番での電動ジギング釣行としている。
基本は底狙いでのスロージギング。ジグの上に仕掛けを2、3本付けて数狙いも有効だ。ジギングは比較的大型が狙え、ダブルや50cmオーバーのメガならぬギガホッケも時折交じるオススメの釣りだ。
カレイ釣り
カレイ狙いは小突き釣りである。ご当地仕掛けとしては両天秤、天秤上にもう1本のハリを付けた3本バリが基本。オモリは潮にもよるが、60、80号を使う。竿は小突きができる先調子タイプがオススメ。水深は50m前後なので、リールは手巻きでも問題ない。
カレイはマガレイ、クロガシラが中心。第八平成丸では白貝を渡され自分で剥いて、三等分程度にして使う。
マイカ釣り
マイカ(スルメイカ)狙いはスッテ5本のブランコ仕掛けが基本。イカ角直結で対抗してみたが、やはりご当地仕掛けには敵わなかったので購入をオススメする。オモリは250号でイカ用の竿、電動リールにPEライン6号が標準的。
マダラ&オヒョウ釣り
オヒョウ狙いは胴突き1本バリの泳がせ仕掛けで、エサは冷凍サンマやイカの1匹付けが良いが、オヒョウ狙いは宝くじのようなものと覚悟すべし。またはホッケの胴突き仕掛けでも狙える。
マダラジギング
ジギングではマダラがメインターゲット。500~750g程度の小太刀ほどのジグを使う。定番はカムイシリーズに上側のみタコベイト付きフックでのスロージギング。
釣り場は知床岬近くの水深140mライン前後を狙う。時化が多く出船日はかなり限られるが、出船できれば雪化粧をした、絶対に忘れられない壮大な知床をバックに10kgオーバーの大型が狙える。また、この時期の白子は濃厚で格別である。
釣行時の服装について
秋から冬の知床は寒い。特に11月を過ぎた釣行には、必ず厚手の手袋、防寒服、耳を覆える帽子での釣行が必須。つま先が冷えるので厚手の靴下かカイロを持参するのも有効である。知床は極寒極まりなく、素手で釣りをすると必ず凍傷になる。これは脅しではない。
冬の知床の山々は雪化粧になりすばらしいが、時化の日が多くウトロ漁港近くでの釣行が多くなる。そのため、はるか遠くに見える知床岬や知床連山を見ながらの釣行と考えた方が良い。