サビキ釣りは初心者でもお手軽・簡単に魚が釣れてしまう釣りです。しかし、手順を整理して釣果向上策を考えると奥深く、やり込み要素が多い釣りであることがわかります。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・篠原陽)
サビキ釣りの釣果をアップ
知らない人はいないかもしれませんが、サビキ釣りとは複数の釣りバリと寄せエサ(コマセ)カゴを基本とした比較的単純な仕掛けを用いる釣り手法です。使用するサオも、ノベザオ、ルアーロッド、ちょい投げ用のサオなどなど、様々な物を用いることができます。
また、このような仕掛けを用いるため、海域ではアジ、サバ、イワシ、淡水域ではワカサギなど群れで回遊する魚の数釣りを楽しめます。そのため、初心者でもお手軽・簡単に釣果を期待できる訳です。
しかしながら、自然の野生動物を相手にしているという不確実性から「全く釣れない……」なんてこともしばしばあります。
そこで、このような事態を極力回避しつつ釣果を向上させるため、サビキ釣りにおける釣れるまでの手順を整理し、それぞれの段階での釣果向上策を考えたいと思います。
手順1:魚を寄せる
当たり前の話ですが、魚がいないことには釣果も期待できません。予め他の釣り人が魚を寄せている状況なら話は別ですが、そうでない場合は一から自分で魚を寄せる必要があります。一般的な魚の行動特性として、ニオイ、音、光に反応して集まると言われています。効果範囲としては、ニオイ、音は遠方まで、光は水中では減衰しやすいので近距離であると考えます。
ニオイ=コマセ
特にニオイは、サメ類が数km先の血のニオイをもとに探餌したり、サケ科魚類が海洋で数千キロ旅をした後に、自分の生まれた河川の特有のニオイ(アミノ酸組成)を識別して回帰するなど、はるか遠方まで影響します。そのため、ニオイ・音で遠方から魚を集め、光で仕掛けまで魚を誘導するというイメージです。
ニオイはエサのニオイ=コマセを用います。コマセは一般的に用いるオキアミのみではなく、市販の集魚材、ニンニク、酢、などを混ぜると、よりニオイが強くなり集魚効果が上がると考えられます。また、コマセで魚を寄せる時は、流向を確認した上で遠いところから段々と仕掛けに近づけるイメージで投入しています。
下の写真は筆者が用いるコマセの内容です。aは市販の集魚材、bはオキアミにニンニクと酢をいれたもの、cは米糠であり、これらを海水と混ぜて使用しています。
音で魚を寄せる
音に関しては、筆者はブラスシンカーとビーズを仕掛け上部に付加し、シャクることでこれらがぶつかる音(カチカチ音)を出して誘っています。ただし、音は魚の注意・興味をひくことで寄せると考えられるので、使い続けると警戒・逃避される原因になると考えられます。
視覚に訴える方法
キラキラする光は魚のウロコの反射光に似ており、仲間が集まっている=エサがあると判断する指標になること、および注意、興味をひくことで魚を集めると思われます。この効果を得る方法としては、キラキラと発光する集魚板を仕掛けに付加することが挙げられます。
下の写真は筆者が用いている集魚板です。筆者はペットボトル、100円均一のホログラムシールで集魚板を作成して用いています。市販の金属製の物に比べて安価、かつ錆びることなく使用し続けることができます。
なお魚種によって視覚特性が異なること、および海況、気象条件によって見えやすい色が異なるので、集魚板は数種類の色、大きさを準備して状況に応じて使い分けることが必要です。また夜釣りの場合は、ケミカルライトなどの発光体を用いることでも注意、興味をひくことができます。