万年初心者のミステリー小説家が解き明かすフライの謎と秘訣。今回は、マーカーの価格破壊を目指した、使い捨てマーカーの自作方法をお届けします。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・浅暮三文)
フライの使い捨てマーカー
前回まで可動式のマーカーを、どのように安価に手にするかを書いてきました。しかし、老眼に悩む釣り師の私は釣り場でゴム管にティペットを通すのさえ、おぼつかないのが現実なのです。だったらいっそのこと、可動式をあきらめる。使い捨てで良いじゃないか。このように開き直っても良いですよね。
ただし、使い捨てマーカーの難点は付け直すたびに、幾ばくかのお金を川に投げ捨てているのとかわらない点。私が愛用するマーカーなら1個40円弱が泡と消える。これは贅沢をしているというよりも、罪の意識を感じます。そこで使い捨てマーカーを気にならないような安さにする。どうするか。自作です。さっそく素材を求めて手芸店と100円ショップへゴー。
100円ショップで素材購入
「隊長、現場に到着しました。なにを揃えればいいでしょうか?」
「今回は私が愛用する丸いウレタン製で、ティペットに挟むタイプと同機能の物を製作する。したがって、まず同密度のウレタン材が必要だ」
「隊長、ありました。すこし柔らかいですがクッションを自作するための手芸材です。厚さ4cm、縦横35cmもあります」
「おお、マーカーと比べると巨大といって良いな。しかし、大きいことは良いことだ。さて、次はティペットを挟んだ時に貼り付くような接着剤だ。これは幅10mmの通常の両面テープで間に合うぞ」
「ですが隊長、最後は塗装です。一体、なにを使うんですか?」
「いいか、君。今回は絵の具を塗るわけじゃない。見たまえ、これを」
「あ、シールですね」
「そうだ。少し大きいが5色揃って500片入り。多いじゃないか。安いじゃないか。これをウレタンの表面に貼ればよい」
「なるほど。隊長、あんたは偉い。これからもついてく」
マーカーの自作方法
次にマーカーの自作方法を紹介しましょう。
ウレタンの切断
ということで、自室に戻ってマーカーの製作に取りかかります。まず愛用のマーカーをサンプルにしながら、ウレタンフォームを切断します。
フォームの注意書きには「鋭利なハサミやカッターなどで切ることができます。熱線やヒートカッターでのカット加工はできません」とあるので、カッターナイフの刃をポキリと新しくして、厚さ4cmのフォームを縦横2cm片に切り出しました。しかし、このままでは写真のように分厚すぎます。
さらにスライス
厚みがマーカー並みになるようにさらに8片にスライス。この作業はカッターナイフの切れ味が大切なようで、下の写真内の奥のように失敗した物もあります。よく切れる物か、こまめにカッターの刃を新しく折る方が良いようです。
仕上げ作業
続く作業は仕上げ。買ってきたポイントシール一片を、マーカーと同サイズの幅で切り出します(台紙まで切らないように。あとで使います)。
これを8分割したウレタンフォームの一つにぺたり。次にマーカーと比べながらハサミで形状を整えます。私の場合は手先が不器用なので、丸くならずに砂時計のようになっちゃいました。
両面テープで固定
でも、良いんです。マーカーの形がいびつだから魚が嫌うなんてわけじゃない。ほどよく浮いて目視できれば良いんです。最後は裏側へ両面テープを貼って、余分をカットして完成。
むろん、まだテープの裏紙は剥がしちゃ駄目ですよ。ここでシールの台紙を再利用。シールを剥がしたらマーカーを貼って持ち運びやすくしましょうか。