一部すでに解禁している河川もあるが、アユの解禁といえば6月から。ファン待望のトモ釣りシーズンがいよいよ開幕。そこで今回は、トモ釣りの基本を名手・森岡達也さんに解説してもらった。ぜひこのタイミングで入門し、シーズンを長く楽しんでほしい。
アユの取り扱い方・釣り方
ポイントが決まれば、サオに仕掛けをセットして釣り開始となるのだが、トモ釣りはここからが重要になってくる。
まず仕掛けの長さだが、これは鼻カンがサオ尻にくる程度の長さが使いやすいので、調整しよう。
そして、オトリアユを鼻カンに付けて、ハリの付いたサカサバリをヒレに打ってから、オトリを放つ。
言葉で言えば簡単なのだが、初心者にはこの動作が一番難しいと思う。
サオを右肩に担いで、左手でオトリアユを持ち、右手で鼻カンを通してサカサバリを刺すのだ。
サオはカーボン製で、傷が付くと折れる可能性がある。
河原には石が多くあるので、サオを地面に置くと傷が付いて折れるので、必ず担いでこれらの作業をすること。
【アユの取り扱い方】
そして、一番気を付けることは、アユに鼻カンを付ける時だ。
必ずアユを持つ手を川に付けて冷やすことを忘れないでほしい。
30秒~1分くらいで十分なので、少し手を冷やしてからアユを触るようにしよう。
そのまま触ると、やけどとまではいかないが、余計に暴れて鼻カンも付け難いし、アユも弱ってしまう。
トモ釣りに関してはオトリアユの元気度が大きく釣りに影響するのだ。
アユをつかむためのコツは、親指と人差し指でアユの目をふさいで、小指と手の平でアユを軽く押さえるように優しく握ることである。
水の中で暴れないように持てたら、角度をかえてアユの鼻の部分を水面から上げ、手前から刺すイメージで鼻カンを通す。
そしてそのままサカサバリをヒレの根本付近に刺してやる。
これができればセット完了だ。
【釣り方】
ハリは、アユの尾から1~2cm出る程度の長さに調整する。
ハリスを長くしてもいい場合もあるが、慣れていないと根掛りの原因となるので、初めは短めのハリスを使用した方がいいと思う。
これが終わったら、先に書いたきれいに磨かれた石を狙って、オトリアユを操作していくのだが、このときにオトリアユの位置を把握することが重要になってくる。
その際目安となるのが目印だ。
目印の位置は、水深に応じてかわってくる。
基本的に4つ程度の目印を付けるのだが、一つ目を水深プラス30cmにセットする。
狙うポイントが1m前後の水深なら、1.3mに一つ目を付けて、後は30cm間隔で3つ程度付ける。
あくまで目安なので、水深が深い場合は、一つ目が水中に入っても問題ない。
二つ目を見て操作するためだ。
反対に浅い場合は、目印の位置が高くなり見難くなるので、位置を下げて調整しよう。
一つ目が水面から10~20cm上に見えるぐらいがオトリの位置を把握しやすいと思う。
そして、きれいに磨かれた石の少し上流側に立ち、オトリアユをその石の下流側から、その石周辺に誘導してやる。
上手く掛かれば、ガッーンと強烈なアタリが手元にくることもあるが、モゾモゾという感じでオトリアユと一緒に下流へ流れるような時もある。
焦らずにゆっくり寄せてタモですくおう。
掛かりアユのハリを外して、オトリアユの鼻カンを取って、掛かった野アユをオトリアユにして、再度釣り開始。
アユのトモ釣りは、循環の釣りでもある。
次々とアユが掛かれば、オトリがその都度元気なアユにかわり、また掛かってくる。
オトリアユが弱ってしまえば掛かる確率も下がってくるので、1匹目のオトリアユが弱れば、元気なオトリアユに交換して狙うようにしよう。
初心者の場合は、オトリアユがキモになるので、2匹より3匹、4匹と多くオトリアユを持っていくことをお勧めする。
今年の状況
和歌山県の有田川や日高川では、一足早くトモ釣りが解禁になっている。
今年はコンディションもよく12~16cmのアユがいい感じで掛かっている状態だ。
どちらの河川もダム上流は放流河川となり上流域で安定した釣果が出ているので、これから始める釣人にはお勧めだと思う。
放流河川は、調子いい状態なので楽しみだが、それに加えて今年は太平洋側の河川の天然ソ上が多く、7~8月の盛期には面白い釣りができそうだ!