伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「新ベラをグルテンで釣ろう」。テーマ初回は実釣編。釣り場は茨城県結城郡八千代町の筑波流源湖だ。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
筑波流源湖でヘラブナ釣り
久しぶりの晴天となった10月21日(水)にヘラブナの取材釣行。狙いはあくまで10月15日に放流済みの新ベラ。約2.5tで2000枚だから単純計算では1枚1kg超の大型ぞろい。しかし広大な池面積に対して2000枚前後では魚影密度的には薄いはず。
取材依頼の電話をした時、池主からも「どうせ来るなら2回目(10月29日)の放流後がよかったのに」と言われる。しかしスケジュールの都合上、どうしてもこの日しかなかった。
放流日から6日目、新ベラたちはどこに着いているのか。ポイント選定を読み違えば悲惨な結果が待っているのは目に見えている。深場か、それとも浅場か。伊藤は浅場を選択。新ベラ狙いでは実績が高い東オンドマリ桟橋の南向きに座る。
新ベラの寄りを信じる
目の前には乱立した立ち木があり、そのさらに沖側の石積寄りでは新ベラっぽいモジリが多発している。「あれがきっと日中にはこっちに寄ってくる」そう信じて飛天弓閃光L21尺竿を継ぐ。
水深は約2本でタナは下バリトントン。エサは新べらグルテン底の単品。ブレンド比は100㏄カップで粉山盛り1に対して水が1だが、パッケージからエサを出す前に袋をよく振っていたのは言うまでもない。
水を入れたらサッとかき混ぜて、グルテンボウルを傾けて放置。固まったら全体を裏返して、等分にした片方を押し練りする。ハリ付けの際は必要に応じて手もみを加えるが、ボウルの中のエサを練ったりはせずナジミ幅のコントロールは圧と大きさで行う。
ジャミの猛攻撃に閉口
6時30分にエサ打ち開始。するとすぐに旧ベラがヒットしたが、その後はブルーギルの猛攻に遭う。伊藤の左で竿を振っていた釣友も同様の釣り方でジャミに苦戦している。「ヘラが厚く寄ってくればジャミの動きは大人しくなるでしょう」しかし、いつまでたってもジャミはうるさいまま。
ところが時々、旧ベラが釣れてくるものだから淡い期待を寄せて、次の作戦に移行できない最悪のパターン。「このままではマズいね。どうにかしないと」乱立した立ち木周りがかえって仇になっていると踏んだ伊藤は開始から4時間後、ついに重い腰を上げてポイント移動を断行。と言っても同桟橋の中央付近に向きは同じで移っただけ。
しかし、たった数mでも水深は大きく変わり3本前後。杭周りの呪縛から解かれたので竿も閃光L19尺に替えて、釣り方もオーソドックスな上バリトントンにする。移動後もエサ打ち始めはジャミがうるさかったが、次第にヘラアタリに変わり、その後はほぼ入れアタリになった。ところが期待の新ベラは交じってこない。
常連に47cmの巨ベラ
かわりに同桟橋の左端(伊藤よりもさらに浅場)に朝から入っていた常連に新ベラがヒットし始めていた。しかもなかには47cmのビッグ新ベラまで飛びだしていたのだから、これには伊藤もビックリ。
その常連も午前中はジャミに閉口していたが、正午前後になってから新ベラが食いだしたようだ。「移動しなければよっかたかな(涙)」だが再び朝の釣り座に戻ったところで、釣れている常連とは水深もウキが立つ位置も異なる。このまま粘るか、それとも浅場へ戻るか。
待望のキロ級ヘラ!
すると旧ベラだと思ってアワせたアタリに、これまでとは異質の強引が伝わる。沖っ走りに横っ走りと、まるで新ベラのような引き。なかなか水面を割らず、ようやくタマ網に納まったのはキロクラスの紛れもない新ベラだった。「やったぜ!」
時計は何と15時すぎ。営業終了時刻まで残り30分弱ある。1枚釣れたのだから次もあると、写真を撮って急いで打ち返したが、その後はまた旧ベラオンリー。結局、終日粘ってみたものの釣果は1枚(旧ベラはカウントせず)で終わってしまった。
移動が失敗だったのか、それとも釣り方か。いずれにせよグルテンの釣りを久しぶりにやり通した伊藤は「不思議と充実した一日だった」と感想を述べていた。
次回も「新ベラをグルテンで狙う」です。
<週刊へらニュース版 APC・伊藤さとし/TSURINEWS編>