9月26日、大阪・堺港の沖波止で好調のグレをフカセ釣りで狙った。一時は本流筋でグレ乱舞を目の当たりにした模様をレポート。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・兵頭良弘)
セル石でフカセ釣り
朝夕の涼しさとともに、めっきりと秋めいて来た9月26日、大阪堺港の沖波止へ出かけた。当日は堺出島港から出船する夢フィッシングを利用して、現在好調に釣れているという、秋波止のグレをフカセ釣りで狙うことにした。
早朝、4時30分出船の一番船に乗り込み、セル石の先端へ渡堤。夜明けまで約1時間あるので、まきエサ、仕掛けの準備をヘッドライトの灯りを頼りにぼちぼちと進めていく。
周辺波止の状況
最近の大阪南港、堺港の海水温は25度前後と、まだまだ夏の名残で生暖かく、エサ取りもアジ、サバ、イワシに交じってフグも多い。このエサ取りをいかにして交わしながら本命のグレにさしエサを届けるかが釣果の鍵を握りそうだ。
さらに周辺波止では季節柄、アジの飲ませ釣りでメジロやブリなど大型の青物狙いや、定番のガシラ、アコウなどの根魚、そして何と言っても波止チヌ狙いが盛況を迎えているが、チヌに限っては水温が高いこともあって、フカセ釣りでは少し厳しいようだ。
沖の潮目狙い
さて、全ての準備が終わってアタリが明るくなり始めた午前6時前、いよいよスタートフィッシング。私自身、波止のフカセ釣りが久しぶりなので、手元がバタバタとバタつきながらも、まきエサ5~6杯を20mほど沖の潮のヨレへ打ってから仕掛けをダイレクトに投入。
続いてまきエサの上へ仕掛けを被せるように持っていって同調させ、さらに潮下へ2、3杯のまきエサを追い打ちする。しはらくの間、ゆっくりと流れる上り潮へウキを送り込んだ。
この日の私の課題は、いかにしてエサ取りを交わし、アタリパターンとなるさしエサを早く見つけ出すことで、グレの食い気を誘い、20匹以上のグレをキープすることが目標だ。ところが「今日は川の水が、雨の影響でだいぶん混じってますわ」と当日の海況に不安げな倉橋船長の一言。それでも、「エサ取りさえ交わせばグレは釣れる」と信じて仕掛けを坦々と打ち返した。
練りエサで28cmグレ
すると3投目、竿3本ほど沖に見える潮目へ、魚玉ハードの練りエサを付けた仕掛けを入れた数分後、赤いトップが海中へと、一気に勢い良くスパッと消し込まれた。
スタート時のウキ下は2ヒロ、「潮が悪いから魚も深いのかな」とアワセを入れたが、これが予想に反して力強い引き。「コッパやろ」と油断していると、足元で強烈な締め込みで抵抗を見せる。慎重にハリス1.2号を信頼して水面に浮かせたのは28cmの波止では良型だ。波止でこのサイズはかなり値打ちある大きさである。
エサ取りとの『分離作戦』が奏功
しばらくすると、まきエサの効き出しと相まってフグやキュウセンが海面にウヨウヨ泳ぎ回る。生オキアミでは簡単に取られ出したのを機に、さしエサを練りエサの魚玉ハードオンリーにチェンジ。すると、すぐに結果が出た。まきエサの層を突破し、練りエサにグレが好反応し始めた。数分のうちに同サイズを2匹ヒットさせ、活かしバッカンにグレを入れる。
ところが、時間の経過とともに潮の流れが速くなると、まきエサとさしエサの同調ができなくなり、少しずつズレ出すと突然、グレのアタリが遠のき、かわってキュウセンとフグの猛攻が激しくなる。
そこで、沖の潮筋で本命のグレを食わせ、エサ取りは徹底的に足元近くにクギ付けにしておく「本命とエサ取りの分離作戦」を徹底することにした。この作戦が的中して、25~30cmを8匹ほど追加したが、潮が緩むと再び、エサ取りの猛攻。さしエサが全くハリに残らなくなった。
ここからが我慢のしどころだ。まきエサとさしエサを離してみたり、あるいは同時打ちや、超遠投釣法などいろいろと手をかえ品をかえて、キープサイズのグレを引き出そうとする。手返し良く竿を振り続けるも、たまに上がってくるのは25cm以下のリリースサイズばかり。早いもので、気が付けば午前10時30分を回っていた。
本流筋で入れ食い
「グレは潮を釣れ」と言うが、ラッキーなことに11時過ぎには、上げ潮がスピードを上げて流れ出した。そこで本流筋にまきエサを入れてみたところ、水面下でバシャバシャと魚の波紋を確認。一気ににウキ下を1ヒロまで詰めて、生オキアミをさしエサに波紋の出たポイントへ仕掛けを投入。ウキの頭にまきエサ2杯を被せた瞬間、ピシッとウキが素早く海中へ消し込んだ。
「来た~」。がっちりアワせると、グレ特有の強烈な締め込みが手元に伝わってくる。じっくりと慎重に時間をかけて浮かせ、差し出したタモに滑らせたのは30cm級の良型グレだ。