魚介で地域活性化:香川県『オリーブハマチ』とは 9月11日に販売解禁

魚介で地域活性化:香川県『オリーブハマチ』とは 9月11日に販売解禁

ブリの養殖の発祥地である香川県で、ちょっと変わったブランドブリが販売されているようです。なんとそのブリ、飼料に「オリーブ」を用いているのだとか。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

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その他 サカナ研究所

今年も「オリーブハマチ」が解禁

1928年に初めてブリ(ハマチ)の養殖が行われた香川。9月11日、同県でちょっと変わった養殖ブリの販売が解禁されました。その名も「オリーブハマチ」。香川県のブランド品種です。

オリーブハマチは毎年9月中旬に解禁され、翌年1月までの期間限定で味わうことができます。2008年の発売開始以来、年々出荷量を増やしており、2020年は27万尾程度を出荷する予定となっています。(『香川県ブランド魚『オリーブハマチ』今年も2020年9月11日から解禁!!「オリーブハマチがあたる!プレゼントキャンペーン」も実施します!』PRTIMES 2020.9.11)

天然魚をも凌ぐ味で人気の高い「ブランド養殖魚」が増えていますが、販売が期間限定で行われるものは珍しいと言えるでしょう。

オリーブハマチとは

香川県は、典型的な瀬戸内海型気候で、雨が少ないのが特徴。その乾燥した土地に適した作物である、オリーブの栽培量が日本一となっています。オリーブハマチは2008年に「ブリ養殖開始80周年」を記念して開発されました。

オリーブハマチの特徴はずばり、「オリーブの葉」を飼料に混ぜて育てられているということ。オリーブの葉には強い抗酸化作用を持つ「ポリフェノール」が大量に含まれています。この飼料を与えられたブリは、脂がたっぷり乗っていても臭みがなく、さっぱりとした味わいを楽しめると言われています。

魚介で地域活性化:香川県『オリーブハマチ』とは 9月11日に販売解禁秘密はオリーブの「葉」(提供:PhotoAC)

また、香川県と国立研究開発法人理化学研究所の研究によると、オリーブハマチを週に1回、生(刺身)で300g摂取することで、日常生活疲労の改善、ストレス軽減、リラックス効果があるとのこと。美味しいだけでなく、QOLの向上にも貢献してくれるのです。(『さぬきオリジナル オリーブハマチ』 香川県かん水養殖漁業協同組合)

飼料に植物を混ぜるワケ

そんなユニークな方法で養殖されているオリーブハマチ。しかし実は現在、飼料にいろいろな植物を混ぜて魚に与える養殖は、ポピュラーなものとなっています。

はしりとなったのは鹿児島の養殖ブリ「獅子鰤王」。ブリの飼料にユズを混ぜることで、ユズの香り成分であるリモネンが身に移り、脂っこくなくさっぱりとした味わいになることがわかり、各地で同様のブリが養殖されるようになりました。

魚介で地域活性化:香川県『オリーブハマチ』とは 9月11日に販売解禁脂が乗っている養殖ブリ(提供:PhotoAC)

植物計測剤を加えることで味が良くなるだけでなく、ポリフェノールの作用で酸化・変色しにくい肉質へ改善され、日持ちが良くなる効果もあるそうです。

かつては「脂が臭い」と敬遠された養殖ブリですが、様々な工夫が施され、いまや天然ブリよりも高価になることも多くなりました。養殖技術の向上に感謝しながら、その美味しさを楽しんでみてください。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>