8月20日、東京・伊豆諸島『神津島』の磯からショアジギングでカンパチを狙い撃った。高水温期で苦戦が予想されたので、徹底的にボトム狙い。夏には珍しい3kg超のカンパチをゲットすることができた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・たける)
神津島でショアジギング
8月20日、東京・伊豆諸島の神津島の磯へ、ショアジギングにでかけました。狙いはカンパチ。この魚は青物と呼ばれる魚の中でも、ターゲットとして特に人気が高い魚です。とにかく下へ下へと突っ込むファイトスタイルに魅せられたアングラーも大勢います。
房総半島や伊豆半島では、ワラサやヒラマサと比べてレア感のあるカンパチ。ところが伊豆諸島・神津島はカンパチのフィールドとして全国でも有数の実績ポイントであり、サイズに注文をつけなければ一年中カンパチをターゲットにできる離島です。
神津島の「夏カンパチ」
そんな神津島で釣れた時のデータを毎回取っているのですが、良型と呼べるカンパチがルアーに反応してくれるのは水温が18~24度の時に集中します(ベスト水温は19~22度)。年によってバラつきはありますが、夏以外は良型カンパチが狙えると言い切ってよいでしょう。
あくまで神津島でのデータなので、他の海域では当てはまらないこともあるでしょう。通常夏に釣れるのはショゴと呼ばれる小型カンパチのみ。過去の実績がそうであったため、夏はあまり磯に降りていなかったのですが、今年はどうも海の状況が違うようです。
異常な高水温に苦戦必至?
今年は異常と呼べるほど海水温が高いのです。東京都の島しょ農林水産総合センターのデータによると、8月19日の表層海水温は29.5度。平年偏差で見ると、なんと驚きの+4.1度です。
ちなみにアメダスのデータによると、同日の神津島での最高気温は28.9度で、ほぼ例年通り。いかに海水温が高いか想像できると思います。これだけ海水温が高ければ、まずカンパチは釣れないだろう……、良型は釣れるワケがない……と、そう信じきっていました。そんな時に地元のダイバーと「表層は煮えてるけど、中層以下は逆に例年より低くて寒いくらいだよ」という何気ない会話を交わしました。
中層から下は低水温
あくまで仮説に過ぎないのですが、原因はおそらく台風が来ないことではないかと思われます。例年、夏になれば台風がいくつかは伊豆諸島近辺を通り、海水をかき混ぜてくれます。
このタイミングで濁りが入ったり、釣りにいろいろな恩恵をもたらしてくれることもあるのですが、2020年はその台風がここまでゼロなのです。もちろん私は専門家ではありませんし、他に要因があるのかもしれません。ただ、中層以下の海水温が低いのは間違いない様子。
沖の遊漁船がムロアジの泳がせでカンパチを釣っているのも事実。これはショアからルアーで狙うことも可能なのではないか?と自分に優しく都合の良い条件だけをピックアップし、ウキウキしながら磯に降りてみることにしました。
神津島の地磯の特徴
いくらトップとボトムの水温が違うといっても、水深10m程度では話になりません。「通常の感覚でショアからルアーが届く範囲」の水深では水温にそれほどの変化はないでしょう。しかしここは神津島。そもそも火山島なので、溶岩が海で急速に冷え固まったとされるドン深の磯が多数存在し、中には足元で水深35~40mという地磯もあります。
そんな磯からルアーを投げ、ボトムを徹底的に探るということが今回のテーマです。ルアーチョイスはジグの一択。当然ながら根掛かりも多くなると予想されます。予備のかえスプールは普段1つしか持って行かないのですが、今回は2つ持参することにしました。
ベタ凪で水色はクリア
海況はベタ凪、北からの緩い潮。濁りはなくクリア。浮きグレの下の層にハッキリとタカベの大群が視認できる状況です。
理想は、波が立っていて濁りが入っている状態です。そしてこの磯では経験上、南からの潮が効いている時が最も好釣果に恵まれます。当日は残念ながら絶好の釣り日和ではないということになります。
しかし、潮も動いていないよりマシだし、離島とはいえ夏は凪の日が多い。そもそも自然相手に好条件が全て揃うことの方が珍しく、この条件だって悪条件ということではない。何事も前向きに捉えた方が、人生楽しく過ごせるというものです。
使用したショアジギングタックル
自宅から近いこともあり、いつも2時間程度の短時間釣行なのですが、磯には2セットを持ち込むようにしています。理由は簡単。一つだけだとすぐ飽きるからです。
一つはPEライン6号にリーダーは140lb、もう一つPEライン3号にリーダー60lbをセットしています。それぞれFGノットでリーダーはナイロンラインを12mくらい取ってあります。神津島のカンパチが食ってくるのは磯際がほとんどで、直後に急速潜行モードに入ります。
それを止めるための20ソルティガ18000PGであり、止められなかった場合の根ズレを少しでも軽減するためのロングリーダーという設定です。PEライン3号を巻いたソルティガBJはカツオ用です。最近スマガツオやハガツオが散見されるので、飛ぶ海鳥の高度が下がったら気分転換に投げようと持ち込みました。