8月20日、東京・伊豆諸島『神津島』の磯からショアジギングでカンパチを狙い撃った。高水温期で苦戦が予想されたので、徹底的にボトム狙い。夏には珍しい3kg超のカンパチをゲットすることができた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・たける)
ボトムでエソの猛攻
今回はジグでとにかく底を叩くことがテーマ。底を取りながら潮に乗せ、パターンをかえつつジャーク、そしてキャストを繰り返します。時折、根に擦る嫌な感触が伝わってきます。リーダーに傷がついていないか確認し、必要があればすぐに切って結び直して再挑戦していきます。
底を攻めると、やはりエソのアタックからは逃れられません。エソやショゴのアタックで集中力が途切れそうになったら、タックルをかえてトップでカツオ系を狙ってみます。しかし、表層でルアーに反応するのはペンペンサイズのシイラたち。ツムブリが表層を回遊しているという噂がありましたが、その確認はできませんでした。
ボトムで待望のヒット
トップキャスティングでリフレッシュを終えたら、再びジグでボトムを叩きます。流れる潮に対して頭を向けて泳ぐタカベの動きを見ながら、90gのジグをアレコレ試しながら操作します。若干スロー気味の縦変化でシャクッたその時、待望のアタリを感知。
カンパチ特有の急速潜行で一気にラインが引き出されます。20年仕様のソルティガから搭載されたドラグは、15年製までと違って爆音。往年のエアスプールを彷彿とさせる、乾いたドラグ音を聞きながらファイトします。
3.2kgヒレナガカンパチ手中
ファーストランの最中、リーダーが根に擦れる感触で一瞬ヒヤリとさせられました。ドラグを鳴かされつつも、タックルのスペックにモノを言わせてゴリゴリと主導権を奪回。相手も3度目の潜行時にはもはや力がなく、落ち着いて空気を吸わせた後にズリ上げ、キャッチすることができました。
無事にキャッチできたのはヒレナガカンパチ3.2kg。サイズももちろん、「仮定」→「検証」→「実証」のプロセスを踏めたことが何より嬉しい1尾となりました。真夏の陸っぱりからカンパチをルアーで狙って釣ることができたというのは、実に大きな収穫でした。
それと同時に固定観念というものが、いかにアングラーにとって不要なものであるか、身をもって知ることができました。「高水温時のカンパチはルアーに口を使わない」そう思い込んでいた自分が恥ずかしくもあり。本当にルアーを投げてみるまで分からない、自然という相手の奥深さを改めて教えてもらった気持ちです。
一方で反省点は、最初のアタリを確認した直後に主導権を握れなかったことでしょう。エソに慣れてしまっていた影響もありますが、カンパチだと認識するより早く反応できていれば、ショートポンピングなどで対応する手段はいくらでもあったハズなのですが……。
ロングリーダーが正解
ファーストランで走られて根ズレした結果、リーダーに激しいダメージを受けています。もし、リーダーを3ヒロ、6m程度しか巻いていなかったとしたら…?今回のカンパチは確実に取れなかった1尾となっていました。
もちろんロングリーダーには飛距離が落ちたり、ライントラブルの原因に結び付くデメリットも多数あります。今回は飛距離をあまり必要としない磯際のボトム勝負ということで、セッティングが上手く機能した好事例にすることができました。