伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「コウテンで好転させよう」 。両ダンゴ用ベースエサとして5月にマルキユーから発売されたコウテン。最終回は「コウテンを使う意味とは」。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
コウテンで好転は夢物語?
今月はマルキユーの新エサ『コウテン』を使って釣況、さらには今後の自分の釣りを好転させようというテーマです。言葉では何とも言えるでしょうけど、実際にはコウテンを使えば都合よく好転できるものなのでしょうか?
「ははは(笑)。それは難しい質問だね。『コウテン』を使うだけで好転できるなら苦労はしないし、このエサがもっと爆発的に売れるだろうね。たしかに売り上げは好調みたいだけど、だからと言って誰もがこのエサだけで好転できるなんてそれこそ夢物語だよ」
ではなぜこんなテーマを思いついたのですか?
「きっかけだね。たとえば、これまで使ってきたブレンドの両ダンゴではどうも釣りきれないと悩んでいる人。または現場で即席的にブレンドを替えてみたいが、どうしようか迷っている人。そんな人に『コウテン』を使ってもらいたいね。意外に使いやすくて、釣れるエサだって気づいてもらえるはずだよ。『コウテン』とは、まさにそこが狙いの新エサだしね」
バラけとエサ持ちの両立
使いやすいということは、タッチ変更の自由度が高いから?
「それもある。でも使いやすさのいちばんの理由は、そうやってエサをいじくってもハリにエサが残って、かつバラけてもくれるということ。両ダンゴ釣りの基本を覚えているかな?」
“寄せながら釣る”ですよね?
「ご名答。それをもっとかみ砕くなら”バラけさせながら、ハリに芯残りさせる”と言うこと。でもこれって、じつは相反する要素なんだよね。バラけても持つ。持たせてもバラける。なんてさ」
たしかにそうですね。つまり『コウテン』とはそれら相反する要素を、より簡単に作り上げてくれるってことなのでしょうか?
「そういうことになるよね。たとえば腕達者な人なら、エサの銘柄に関係なく練りと水分量での調整を駆使して、そういうタッチに持っていける。でもそれってすごく難しい。だから少しだけ『コウテン』の力を借りて、難しい作業を簡略化させる。そうすればブレンドに悩んでいた時間を別のところに費やすことができるでしょ。そうすればより釣れる方向へと近づくことができるじゃない」
コウテンきっかけで釣技向上を
今まで釣れないと悩んでいた部分を『コウテン』の力を借りて補てんする。エサで悩む時間を少しでもなくせば、今度は浮いた時間をハリスワークやセッティングなどに向けることができる。そういうことですね?
「まさしく。だから言い換えるならエサだけで満足せずに、悩まずに済むようになった部分だけ他の視点に目を向けなければ『コウテン』を使った意味が薄れるし、釣技の向上を目指すならぜひそうしてほしいね」
『コウテン』はたしかに万能で使いやすいエサだけど、それだけに頼ってしまってはさらなるいい釣りはできない。そういうことですね。
「そうだね。”オレは悪くない。悪いのはエサだ”なんて他のせいばかりにしていたら、釣技の向上はいつまでたってもすすまないからね」
イタいところを突いてきましたね。よーく覚えておきます(笑)。
次回は「マッシュの釣りは難しくない」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>