桜が散っていよいよ伊勢湾奥の陸っぱりがにぎやかになってきた。年末から不調続きのメバルはともかく、好調なのがカサゴを始めとした根魚たちだ。場所は三重県四日市市の四日市港。4月8日、このエリアのエキスパートであるAPCの浅井達志さんに同行し、ベイエリアの根魚たちと遊んできた。
岸壁から実釣スタート
午後6時すぎに現地に到着すると、すでに浅井さんは車で準備中。
最近の状況を聞くと、カサゴは小型中心ながら絶好調で、中に20cmオーバーの良型もちらほら交じるらしい。
今回用意したのは、0.4~2gのジグヘッドに『パワーイソメ/マルキユー』。
この生分解ワームは魚が好むエキスとその軟らかさで、抜群の集魚効果を発揮する。
今回はジグヘッドで使用したが、ブラクリや胴つきなどでも使えるうえ、フルーティな香りがついているので、女性や子供でも非常に使いやすいアイテムだ。
浅井さんがこだわるのは、サイズを問わない五目釣り。
この湾奥エリアならメバル、カサゴ、ムラソイ、タケノコメバル、セイゴといったところだが、これが簡単なようで難しい。
カサゴが多い日はカサゴばかりになるし、セイゴ(スズキの幼魚)に邪魔されて根魚が狙えないなんてことも多い。
この日も目標を五種目に設定し、2人並んで岸壁に立った。
浅井さんはエステルライン0.3号にリーダー3ポンド、1.5gのジグヘッドに『パワーイソメ桜(夜光)/マルキユー』をセットし、沖の根周りへキャスト。
いきなりチリチリとドラグを滑らせ、15cmほどのカサゴを抜き上げる。
明るいうちは単発だったが、暗くなるにつれ活性が上がってきたようでワンキャストワンヒット状態になってきた。
パワーイソメの集魚効果のせいか、アタリは頻発するので退屈はしないが、やはり良型が見たい。
浅井さんは、「数を釣って良型が交じるのを期待しましょう」と言うが、釣っても釣っても金太郎アメ状態。
ふ頭周りに移動
そこでふ頭周りに移動し、足元のエグレを狙ってみることにした。
ボトム付近を狙うのではなく、エグレの壁に着いている魚を狙うのだ。
根魚=底というイメージがあるが、カキ殻やカラス貝などが多く付着する浅いレンジの壁は、絶好のポイントにもなるのだ。
使うジグヘッドは0.4gまで軽くする。
足元を狙うので遠投する必要がないし、フォール時間を長く取れる。
そして何より食い込みがいいのが軽くする理由だ。
これが大正解。
最初は小型が連発して「ここも同じか…」という雰囲気だったが、やがて大きくロッドを絞り込んだのは20cmオーバーのナイスなムラソイ。
ようやく納得サイズの登場、そしてようやくの2種目だ。
素早くリリースし次を狙う。
壁ギリギリに着水してイトフケを取るか取らないかのタイミングで、すでにティップが絞り込まれる。
そしてひと際ドラグを鳴らして抜き上げたのは、優に20cmを超えるナイスなカサゴだ。
ひとしきり足元を探った後は、一気に五目達成を狙って運河筋のポイントへ。
ここではセイゴ、タケノコメバル、クロソイがターゲットだ。
潮位が低く良型は期待できないが、顔さえ見られれば……と釣りを再開する。
だが最初にロッドを絞り込んだのは、まさかの良型カサゴ。
これには浅井さんも首をかしげる。
次もカサゴ、その次もカサゴでようやく顔を出してくれたタケノコメバルはマイクロサイズだ。
それでも1種目追加に人間の活性も微妙に上がる。
だがその後はカサゴとタケノコメバルの繰り返しで、3種目のまま時間だけが過ぎていく。
そしてついに午後9時半、風が強まってきたこともあり心が折れて終了とした。
今回数は十分だったが五目達成はならず。
それでもアタリの多さでベイエリアの本格的な春を実感することができた。
潮が動く日を選んで行けば、メバルやセイゴも期待でき、五目達成はもちろん良型の数釣りも楽しめるようになるだろう。
国道23号西末広交差点から四日市港方面へ。