毎年漁業者や釣り人の頭を悩ませる赤潮。山口県の徳山湾で今年初の赤潮警報が発令されました。毎年発生してしまう赤潮ですが、人間や魚介類にどのような影響があるのでしょうか。
(アイキャッチ画像提供:photoAC)
赤潮対策の例
日本各地で発生する赤潮。発生を抑えるための対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
法的対策
まず一つ目が法的対策です。
日本で赤潮が急激に増加したのは1960年代の高度経済成長期。赤潮発生の原因となる栄養塩が大量排出されたのが原因です。
そこで1970年に水質汚濁防止法が制定され、有害物質の排水基準が規制されました。制定後も基準は強化され、赤潮の発生件数が3分の1にまで減少しているそうです。(引用:『農林水産省』)
藻場・アマモ場の保護
また、藻場やアマモ場も活用されています。
藻やアマモがあるエリアには「殺藻細菌」と呼ばれる微生物が多く分布していることがわかっています。その名の通り、殺藻細菌には赤潮の原因となるプランクトンを減らす効果があるとのこと。
したがって、藻場やアマモ場を守り、増やしていくことが赤潮対策に有効とされています。薬物等でプランクトンを死滅させる方法と比べて環境に優しく、より継続的な効果も期待できるそうです。(引用:海洋政策研究所『沿岸域における赤潮の発生と予防対策』)
周囲を海に囲まれた日本では赤潮問題は避けて通ることができません。しかし、改善に向けた取り組みが確実に進められているようです。
<田口/TSURINEWS編集部>