目が退化した魚「ブラインドケーブ・カラシン」。実は人間の精神疾患症状とよく似た行動をとることでも注目されているんです。
(アイキャッチ画像提供:アクアフォレスト)
人間の精神病治療に役立つ?
そんなブラインドケーブ・カラシンがヒトの精神病治療の研究に用いられているそうです。人間と盲目の魚の間にどのような関係があるのでしょうか。
精神疾患症状と似た行動をとる
ブラインドケーブ・カラシンには「ほぼ不眠」「単純行動をとる」「急に活動的になる」といった、人間でいうと統合失調症や自閉症と類似した行動が見られます。
また、人間の精神疾患の危険因子遺伝子のほとんどがブラインドケーブ・カラシンにも見られるそうです。つまり、精神疾患の症状と同じような行動をするこの魚を研究することで、精神病の遺伝的な関係性や新たな治療法が見えてくる可能性があるということです。
実際にブラインドケーブ・カラシンに抗うつ剤を与えると攻撃性が上がるなど、ヒトと同じような反応を示したそうです。(参照:『Science』)
なぜ人間と同様の反応を示すのか、具体的な理由は未だ明らかになっていないとのこと。長い時間を要する研究かもしれませんが、将来的に人間にも役立つ可能性を秘めているという点も、興味を惹かれてしまう大きな要因なのかもしれません。
取材協力:アクアフォレスト
<田口/TSURINEWS編集部>