釣り初心者にとって分かりにくいのが、日常生活とは異なる「重さの単位」だろう。今回は、釣りで使用される代表的な3つの単位と、それぞれの互換性を解説したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉本隼一)
「重さ」の重要性
釣りをする上で大切な役割をもつ要素が「重さ」です。エサ釣りであれば仕掛けを沈めるためにオモリを使い、ルアーフィッシングでも重量があるルアーはよく飛び、飛距離が出るので遠くのポイントまで届きます。
また、沈むルアーとして鉄板のメタルジグは、重量によってフォール速度がかわります。軽いジグはゆっくりと、重いジグは素早く沈下します。ルアーの少しの重量の差で釣果が左右されることも多いです。
複数の単位がある理由
重さは大切な要素ですが、意外とややこしいのが「重さの単位」です。釣りでは主に3種類の単位を使うことが多く、オモリは「号」、ルアーは「g(グラム)」や「oz(オンス)」表記であることが多いです。単位同士での共通点はあまりないので、オモリやルアーの単位はバラバラとも言えるでしょう。
オモリやルアーの重さの単位が、なぜバラバラなのか気になる人も多いはず。筆者もつい「全部グラム表記だったらもっと分かりやすいのに・・・」と思ってしまいます。これにはちゃんと理由があるので簡単に解説します。
オモリは1号で3.75gですが、わざと3.75gという数値にした訳ではありません。オモリの号数は東アジア地域で昔から使われていた「尺貫法(起源である中国では尺斤法)」の重さの単位である「匁(もんめ)」を基準につくられており、1匁は1号のオモリと同じ3.75gです。オモリの重さが3.75gなのは昔の単位の名残とも言えるでしょう。
一般的にはグラム表記
そして、ルアーの重さを表す単位である「グラム」と「オンス」ですが、「グラム」は日常生活でも使用していることから分かるように、国際的にも重さの単位はグラム表記が一般的です。
しかし、バスフィッシングなどに使うルアーはオンス表記が多いのはなぜでしょうか。バスフィッシングの本場、アメリカではヤード、ポンド法を基準にしているため、重さの単位も「g」ではなく「oz」を使います。日本のバスフィッシングも、元々アメリカから伝わっているので、今でもルアーはこのような表記になっていることが多いのです。
単位の互換性を覚えるメリット
グラム表記を基準に「号」や「オンス」の重さをイメージできるようになるととても便利です。
筆者は重さの単位を全て「g」に変換してイメージするようにしています。オモリ1号は3.75gで、1ozは約28gです。この変換ができれば困ることはほとんどありません。ただ、「oz」に関しては「1/4oz」のように分数で表記されていることが多いので、少し慣れが必要かもしれません。慣れないうちの換算方法と覚え方は後ほど紹介します。
単位をある程度素早く互換イメージできるようになれば、エサ釣りもルアーも両方やりたい場合に、異なる重さの表記であっても柔軟に対応できたり、エサ釣り、ルアーどちらか一方しかやらなくても釣りの引き出しを増やすことに繋がります。
役立つシーンとして、通常のオモリの代わりにルアー用のシンカーを使ったり、逆のパターンとしてテキサスリグのシンカーをナツメオモリで代用するときに「あれ?5/8ozってオモリだと何号だったかな?」という場合、スムーズに換算できると調べる時間のロスや手間を削減できます。
また、グラム表記のルアーとオンス表記のルアーを両方使いたい場合にも換算できれば、意図せずオーバーウエイトのルアーを投げていた・・・なんてことを防止できます。