3月上旬に、本流域での尺ヤマメを狙いに、宮崎県の五ヶ瀬川へ釣行した。当日は小雨の寒々とした中での釣りとなったが、良型に出会うことができた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 APC・津曲隼丞)
五ヶ瀬川で尺ヤマメ狙い
釣行当日の早朝に上流側の水量豊富なポイントに入渓。まずは水深2mほどの深瀬を狙う。過去に尺オーバーのヤマメが出た実績ポイントでもある。
サオはカゲロウスペシャル70-75、水中イトは釣聖0.15号、オモリは2BとG1を並べて打つ。エサは、現地で採れた新鮮なクロカワ虫。
数投ほどドラグドリフトさせると良型がヒット。尺クラスはありそうだ。しかし、やり取りの途中で痛恨のハリ外れ。
ハリを再度結び、対岸の流心脇へドリフト。目印が僅かに沈んだところでアワセを入れる。すると、またもやヒット。これはデカい。獲物は瀬を上流へ上り疾走した。立てザオで応戦し耐えていたところ、突然ふんわりとテンションがなくなった。魚がデカく、細イトということもあるが、先ほど大物を掛けた時に仕掛けの点検をしていなかったのが原因だろう。
38cmニジマス浮上
気を取り直して、少し下流の岩盤質の切れめを狙ってみる。オモリはBだ。瀬落ち付近は反応なし。続いてヒラキを幾多の筋に区分けして丁寧に流していく。
すると、またもやドラグドリフトでヒット。どこまでも曲がる愛竿を信じて根元から絞り込む。これも大きい。この重量だと尺は超えていることだろう。やり取りを繰り返すと、ジャンプした。これはニジマスだ。
五ヶ瀬川には野生化したヒレピンのニジマスも生息している。中には、銀毛ヤマメと見間違えそうなスチール化した幅広の40cmクラスもいるので用心しなければならない。サオを左右にいなし誘導しながら繰り返す。
獲物を寄せると獲物も渾身の力を振り絞り何度も沖へ走る。そんな持久戦を何とか制しタモに入れたのは38cmのニジマスだった。
26cm本命ヤマメをキャッチ
その後も一帯では、3尾のニジマスを追加して、高千穂峡付近のポイントへ移動した。一帯は、切り立った渓谷に囲まれ、本流は巨岩の沈み石や浮石が点在し、深い淵と荒瀬を形成している。
また、その流れには、解禁から尺ヤマメが姿を現し、全国の渓流釣りファンから注目されている河川だ。ただ、漁協から直接本流へ稚魚放流がなされていないので、魚影は薄い。支流から落ちてきたヤマメがターゲットになる。
まずは、巨岩の点在する荒瀬から淵へ流れ込むポイントで1尾を取りに行く。オモリBとG2を付けて流すとYパタ-ンで目印に生命反応があった。
アワセを入れると良型と分かる引き込み、クロ釣りのように立てザオで応戦。ポッカリ浮き上がったのは26cmのヤマメであった。幅広でグッドコンディションの魚体だった。
30cm大型ヤマメ顔見せ
今度は、対岸の岩盤沿いへ流れ込む淵を狙う。尺物は、長い瀬が一気に淵へ流れ込むポイントに実績があるから、期待がもてる。オモリG1で淵尻から何度も仕掛けを流す。
落ち込みの白泡切れ目へ仕掛けを通すと微かなアタリが出た。上方にアワセを入れるとヒット。大きな魚体が何度も回転しギラリと水面下が光った。これは大きい。使用する0.15号の細イトで荒い底石に潜られたら、一発でラインブレイクする。立てザオ気味でなるべく中層でのやり取りを心がけた。
下流の緩い流れへ誘導し、何度も底石へ突進する引き込みはスリル満点。観念したのか浮いて口を空けたところをタモですくった。ジャスト30cmの大型ヤマメ。30.3cmが尺なので厳密には尺ヤマメとは言えないだろう。だが、30cmまで成長すると、試練を潜り抜けた精悍な顔つきで敬意を払いたい気持ちになる。
当日は小雨の寒々とした中での釣りであり、良型にも出会えたので、釣りはこれで納竿。
<週刊つりニュース西部版 APC・津曲隼丞/TSURINEWS編>