海産物が入った全国の贅沢お雑煮7選 具材はエビにイクラにブリ

海産物が入った全国の贅沢お雑煮7選 具材はエビにイクラにブリ

お正月と言えば、やはり外せないのがお雑煮!各地方で様々な特色を持つお雑煮ですが、今回は、中でも全国の海産物を使ったものを紹介したいと思います。

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サカナ研究所 その他

お正月にかかせないお雑煮

海産物が入った全国の贅沢お雑煮7選 具材はエビにイクラにブリ焼き餅(提供:PhotoAC)

お正月と言えば、お雑煮!しかしお雑煮といっても、各地方で様々です。例えば、赤味噌や白味噌、地域によっては、すまし汁のお雑煮があるなど、地域色豊かです。

中でも今回は、海産物を使った珍しいお雑煮を紹介したいと思います。

甲信越地方:鮭といくらが入った贅沢雑煮

新潟は、鮭の遡上が望める荒川が流れています。国土交通省による水質調査で、新潟県を流れる「荒川」は、三年連続水質日本一の下線に選ばれました。荒川の清流には、アユやカジカをはじめとした様々なサカナが生息しています。

また初冬には、銀輪のサケが群れをなして急流をのぼります。この自然豊かな荒川が流れる新潟県のご当地のお雑煮は、野菜はもちろん、サケとイクラをふんだんに使った贅沢な具たくさんのお雑煮です。

想像するだけでよだれが出てきます。

レシピ 

【材料】4人分

切り餅・・・・・・・・・・4個
塩鮭の切り身・・・・・・・4切れ
いくら・・・・・・・・・・70g
大根・・・・・・・・・・・100g
人参・・・・・・・・・・・40g
里芋・・・・・・・・・・・100g
ごぼう・・・・・・・・・・40g
ねぎ・・・・・・・・・・・1/2本
ほうれん草・・・・・・・・70g
こんにゃく・・・・・・・・1/4丁
だし汁(煮干し)・・・・・4カップ
しょうゆ・・・・・・・・・適量
塩・・・・・・・・・・・・適量

料理

1.下ごしらえ
人参や里芋は乱切りにします。大根、こんにゃくは短冊切りにします。ネギは輪切り、ゴボウは千切りにします。ほうれん草はゆでて、一口大にカットしておきます。

2.具材を煮込む
大根、ごぼう、人参、里芋、こんにゃくを軽く茹でます。茹でた具材をだし汁に入れ煮こみ、火が通ったことを確認し、塩鮭を入れて、さらに煮こみます。

3.味をととのえる
塩・しょうゆで味をととのえます。

4.お餅を焼く
表面に焦げ目がつくまでしっかり焼きましょう。

5.盛り付け
お椀に、お持ち、汁、具材を盛り付け、最後にいくらをのせれば出来上がりです。

東北地方:ハゼの焼き干しが一匹入った雑煮

海産物が入った全国の贅沢お雑煮7選 具材はエビにイクラにブリハゼ(提供:週刊つりニュース関東版 編集部)

宮城県では、20cm超えの落ちハゼを狙う「数珠(じゅず)釣り」という伝統釣法があります。 

この伝統釣法「数珠(じゅず)釣り」は、釣りバリを一切使用しない大きな特徴になります。釣り方は、数珠状にした虫エサ(イソメ・ゴカイ類)をハゼに咥えさせ、釣り上げます。

これは、ハゼの魚影がバツグンに濃い宮城県の松島湾だからこそ生まれた釣法(漁法)だと言えます。また盛期には、わずかなエサで数100尾の釣果を得ることも可能なのだとか。

松島湾には海草のアマモ場や海藻のガラモ場が多く、ハリを使わず藻掛かりしにくい数珠仕掛けが適していたというのも、この釣法が広まった一因されています。

伝統釣法「数珠(じゅず)釣り」が盛んな宮城県だからこそ、宮城の20cmを超える焼きはぜを贅沢に1匹使ったお雑煮が食べられます。

レシピ 

【材料】4人分

切り餅・・・・・・・・・・4個
大根・・・・・・・・・・・50g
人参・・・・・・・・・・・40g
ごぼう・・・・・・・・・・1/2本
ずいき(里芋の茎)・・・・1本
凍み豆腐・・・・・・・・・2枚
焼きはぜ・・・・・・・・・4匹
せり・・・・・・・・・・・1/4束
はらこ(サカナの卵)・・・50g
なると・・・・・・・・・・4切れ
水・・・・・・・・・・・・5カップ
しょうゆ・・・・・・・・・大さじ1
酒・・・・・・・・・・・・大さじ1
塩・・・・・・・・・・・・小さじ1

料理

1.下ごしらえ
先ず、大根、人参、ごぼうを千切りにし、茹でたものを野外に一晩おいて凍らせせておきます。これを「ひき菜」と呼びます。ずいきは、適度な大きさに切ります。凍み豆腐は、水で戻し短冊に切っておきます。

2.だし汁
鍋に水と焼きはぜを入れて火にかけます。沸騰したら弱火にし、10分ほど煮こめば、だし汁の完成です。

3.味をととのえる
しょうゆ、塩、酒を加え、味をととのえる。

4.具材を煮込む
下準備をしておいたひき菜と凍み豆腐、ずいきを加え(3)のだし汁で煮込みます。味がしみたら、はらこを入れ、火を止めます。

5.お餅を焼く
表面に焦げ目がつくまでしっかり焼きましょう。

6.盛り付け
お椀に、お持ち、汁、具材を盛り付け、最後にせりとなるとをのせれば、できあがりです!

関東地方:はばのり雑煮

千葉は、ほとんど部分が房総半島という海に張り出した地形になっています。そのため、魚介類など海産物に恵まれています。

また冬~春にかけて、磯が多い南房周辺では『ハバノリ』を天日干しにして保存しておく風習がありました。基本的に地産地消のため、あまり目にする機会がないハバノリ。それを贅沢に使用し、カツオダシと醤油で味付けした潮のニオイを感じるお雑煮です。

レシピ 

【材料】4人分

切り餅・・・・・・・・・・4個
ハバノリ・・・・・・・・・適量
醤油・・・・・・・・・・・7大さじ1
ダシ汁(カツオ)・・・・・4カップ
カツオ節・・・・・・・・・適量
青のり・・・・・・・・・・適量

料理


1.下ごしらえ
まずは、ハバノリをさっと軽くあぶります。

2.味をととのえる
ダシ汁に醤油を加え、味をととのえていきます。

3.モチを焼く
表面に焦げ目がつくまでしっかり焼きましょう。

5.盛り付け
お椀に、お持ち、汁、具材を盛り付け、もんだハバノリとカツオ節をかけて完成です。

中国地方:牡蠣をふんだんに使った雑煮

広島県は、言わずと知れた牡蠣の生産量が日本一の県になります。牡蠣の生産量は、全国1位を誇り、2008年の総生産量は、3万52t(むき身)のうち、1万7497t、つまり58.2%を広島が占めているようです。(参照:http://www.hs-gyoren.jp/h-kaki.html)

そんな牡蠣の生産量が日本一の広島県のお雑煮は、牡蠣をこれでもかとふんだんに使った贅沢なものになります。

レシピ 

【材料】4人分

丸餅・・・・・・・・・・・4個
牡蠣・・・・・・・・・・・6個
大根・・・・・・・・・・・120g
人参・・・・・・・・・・・80g
白菜・・・・・・・・・・・2枚
だし汁(かつお)・・・・・5カップ
しょうゆ・・・・・・・・・大さじ3
柚子の皮・・・・・・・・・適量

料理

1.下ごしらえ
牡蠣は洗って、水気を拭き取っておきます。白菜は、一口大に切っておきます。
そして大根と人参は輪切りにして、先に茹でます。

2.具材を煮る
だし汁を火にかけ、煮立ったらしょうゆを入れ、牡蠣を煮つめます。火が通ったら一度、牡蠣を取り出します。その後、野菜を入れて煮つめます。

3.お餅を焼く
表面に焦げ目がつくまでしっかり焼きましょう。

4.盛り付け
お椀にお餅・汁・具を盛りつけて、最後に細く切った柚子の皮をのせれば、できあがりです!

中国地方:高級ブランド海苔が入ったお雑煮

島根県は、出雲市十六島(うっぷるい)周辺で採取される海苔の、十六島海苔が有名な県になります。

この十六島岩海苔は、アサクサノリの仲間で、食物繊維・各種ミネラルが豊富でノンカロリー。海藻類の中でも特に蛋白質が多く、大豆より質・量共に優れています。

風土記にも出てくる海苔らしく、日本で最も古い海苔とも言われているそうです。十六島海苔の採取期は寒さが厳しくなる12月初旬から翌2月頃までで、地元では『かもじ海苔』といい、お正月のお雑煮には欠かせません。この高級ブランド海苔をふんだんにつかい、海苔の風味をダイレクトに楽しめるお雑煮は島根県の十六島海苔のお雑煮だけでしょう。

レシピ 

【材料】4人分

丸餅・・・・・・・・・・・4個
十六島海苔・・・・・・・・60g
だし汁(かつお・昆布)・・4カップ
しょうゆ・・・・・・・・・大さじ2
酒・・・・・・・・・・・・大さじ2
みりん・・・・・・・・・・適量
塩・・・・・・・・・・・・適量

料理

1.味を整える
だし汁にしょうゆ、みりん、酒を加え、お吸い物より少し濃いめに味を付ければ、すまし汁は完成です。

2.お餅を煮る
鍋にお餅を入れ煮こみます。柔かくなる直前に高級ブランドの十六島海苔を入れ、ほぐれたら火を止めます。

3.盛り付ける
お椀に、お持ち、汁、具材を盛り付け、その上からさらに十六島海苔をのせれば、できあがりです!

九州地方:ブリが入ったお雑煮

海産物が入った全国の贅沢お雑煮7選 具材はエビにイクラにブリブリ入りお雑煮(提供:PhotoAC)

福岡県は、釣り人ならだれもが憧れる海(玄界灘・響灘)で有名な海に面する県になります。対馬海流が流れ込み、栄養豊かな海になっており、ブリをはじめとした、ヒラマサやカンパチなど大型青物やマダイやマハタなどの高級魚が狙えます。

そんなお魚天国の福岡県のお雑煮は、玄界灘・響灘の豊かな海で育ったブリを使った贅沢なお雑煮になっています。

レシピ 

【材料】4人分

丸餅・・・・・・・・・・・4個
ぶり・・・・・・・・・・・4切
大根・・・・・・・・・・・80g
金時人参・・・・・・・・・40g
里芋・・・・・・・・・・・80g
かつお菜(高菜の仲間)・・100g
だし汁(焼きあご・昆布)・3カップ
干ししいたけ・・・・・・・4枚
するめ・・・・・・・・・・適量
濃口しょうゆ・・・・・・・小さじ1
薄口しょうゆ・・・・・・・大さじ1
塩・・・・・・・・・・・・適量

料理

1.だし汁をつくる
干ししいたけは水で戻しておきます。焼きあごと昆布のだし汁に、しいたけを戻した汁を加えれば、だし汁は完成です。

2.下ごしらえ
するめは水につけておきます。金時人参と大根、皮をむいた里芋を輪切りにしてておけば下ごしらえは完成です。

3.味を整える
だし汁に、濃口しょうゆ・薄口しょうゆ・塩を入れ、味をととのええます。

4.下ごしらえ
だし汁にぶりの切り身、あらかじめ下ごしらえをしておいた里芋、大根、金時人参、しいたけを加え、柔らかくなるまで煮こみます。

5.お餅を煮る
お餅とかつお菜を、柔らかくなるまで煮こみます。

6.盛り付け
お椀に、お持ち、汁、具材を盛り付け、するめをのせれば、できあがりです!

九州地方:焼きエビが入ったお雑煮

海産物が入った全国の贅沢お雑煮7選 具材はエビにイクラにブリ焼きエビ入りお雑煮(提供:PhotoAC)

鹿児島県では、かつて出水沖で「ケタ打瀬漁」という方法によりエビが沢山取れる身近な食材でした。このエビをあぶり焼きにして、干し保存用高級食材として島津家に納められていました。

そんなエビをまるまる1尾使用した、インパクト大のお雑煮は鹿児島県ならではでしょう。あぶったことによる香ばしさと濃縮された旨味が汁に溶け出ています。

レシピ 

【材料】4人分

丸餅・・・・・・・・・・・4個
焼きエビ・・・・・・・・・4尾
里芋・・・・・・・・・・・100g
春菊・・・・・・・・・・・1/2束
豆もやし・・・・・・・・・1袋
かまぼこ・・・・・・・・・4枚
干ししいたけ・・・・・・・4枚
水・・・・・・・・・・・・5カップ
醤油・・・・・・・・・・・大さじ2
酒・・・・・・・・・・・・適量
塩・・・・・・・・・・・・適量

料理

1.下ごしらえ
焼きエビ・干ししいたけは前日から水につけておく。人参は飾り切りに、里芋は皮をむいておきます。一口大に切った春菊と豆もやしを湯通ししておけば下ごしらえは完了です。

2.具を煮る
干ししいたけの石突きを取って、焼きエビと干ししいたけが柔らかくなるまで煮みます。さらに、しょうゆ・酒・塩を入れ、かまぼこ・里芋を入れて煮こみます。

3.モチを煮る
モチを加え、柔らかくなるまで煮ます。表面に焦げ目がつくまでしっかり焼きましょう。

5.盛り付け
お椀に、お持ち、汁、具材を盛り付け、春菊ともやしをのせれば、できあがりです!

<編集部/サカナ研究所>