カワハギトーナメント「ステファーノグランプリ」。東京湾剣崎A・B予選が11月8日(金)と9日(土)に開催された。決勝の舞台を目指し、私も参戦した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・田中義博)
『ステファーノグランプリ』A予選
11月8日(金)のA予選は参加者98人。6時から釣り座の抽選が行われ、私は右舷ミヨシ2番に座を構える。5隻に分かれて乗り込み、7時に出船。
剣崎沖の水深25mでスタートのアナウンスが流される。この日の潮汐は中潮で、正午にかけて上げ潮。同沖では上げ潮は東方向に流れることが多く「右舷は有利」と考えていた。
しかし、実際は北東の強風に押され、左舷トモ方向へ船が流され、右舷ミヨシは潮下に。ほかの選手が攻め終わった筋を狙わなければならない不利な状況ではあったが「魚影が濃い剣崎であれば何とかなる」と気を引き締め、自分の釣りに徹する。
根掛かり対策「宙の釣り」
根が荒い剣崎沖では、オモリを底に置いた釣りでは根掛かり必至。そこで、底から1mまでを基準に宙での釣りをベースにする。一言で「宙の釣り」と言っても、カワハギがエサを追うスピードや活性を考慮した誘いが重要。当日の状況をいち早くつかむため、試行錯誤していく。
潮色は濁りが入り、魚の泳層になる海底付近は暗いはずだ。「視力でエサを見つけるカワハギは、速い誘いではエサへのコンタクトが少なくなる」と仮定し、スピードはゆっくり。誘い幅は5cm程度の刻みで、誘い上げと誘い下げを繰り返していく。
ひと流しでカワハギ2尾手中
すると、答えはすぐに出た。仕掛けにまとわりつくような違和感を手感度でキャッチ、ザザッとハリ先を擦るような違和感。
同じスピードで誘い続けると、カツとハリをかむアタリが到来。反射的に小さくアワセをいれると竿は小気味よくたたかれる。魚の重さを竿に乗せ込むような動きで追いアワせ、一定のスピードでリーリング。20cm程度の本命をキャッチ。
次も同じ誘いでアタる。無事にハリ掛かりまで繋げ、ひと流しで2尾を手にすることができた。
前半戦で6尾をキャッチ
スタートから1時間半ほど。船長は同じエリアを流し変え、ずっと宙で本命のアタリを逃さずに掛けていく。この時点で6尾をキャッチ。いい流れで前半戦を終える。
手が合っていたので、同じパターンで数を重ねたかったが、船全体としてはエサの追いがイマイチなようで、船は毘沙門沖へと大きく移動。海底形状は岩盤ではあるものの、比較的平坦なため、砂地が所々にある。
横の釣りを取り入れ数を伸ばす
船は相変わらず北東風に押されるため、宙の釣りに加えて、キャストできるところでは仕掛けをサビキながら、横の釣りを取り入れていく。魚が付く場所を探しながら、ゼロテンションに移行する釣り方で、小型の一荷を達成。順調に数を伸ばしていくことができた。
船長はカワハギのエサの追い方を見ながら、城ケ島方面や松輪港前など、実績あるポイントに船を進める。海底状況にあわせた釣り方で、私も本命を追加していくことができた。
A予選で総合優勝
13時に沖上がりのアナウンス。私は20尾を手にして、何とか船中トップで決勝に駒を進めることができた。また、横取り方式の船別総合優勝のおまけ付き。
難しい状況ではあったが、組み立てた釣りと当日の状況がマッチしてくれた結果に安堵した一日になった。