10月上旬、佐賀県・伊万里湾から落とし込み釣りでヒラマサを狙いに行った。当日は、寿風に乗船し、ヒラマサとのガチンコ勝負を楽しめた。また朝の時合には、開始早々にアコウ、オオモンハタ、ヤガラなど高級魚も顔を見せた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 唐津市・宮崎勝太)
寿風で落とし込み釣り
落とし込みとは、5~6本のハリが付いた専用の胴突き仕掛けで、まず中層にいるエサとなるイワシやアジを掛け、そのまま海底まで落としてヒラマサやブリといった大型魚を狙う、わらしべ長者的な釣りだ。
午前6時に遊漁船・寿風で出港。釣り場までは50分ほどで到着し、すでに別の船が釣りをしていた。私も早速仕掛けを投入し、エサとなるイワシを掛ける。
イワシは基本的にフリーフォールで掛かる。掛からないときは、イワシのいる層より少し上まで巻き上げて、再度仕掛けを落とす。この動作が落とし込みといわれるゆえんだ。
朝の時合いに高級魚が続々
朝の時合いのおかげで、開始早々にアコウ、オオモンハタ、ヤガラなど、本命ではないが普段はなかなか釣ることのできない高級魚が次々に釣れ、活性が高いことが分かる。
私以外の同船者には本命が掛かり、豪快にサオを曲げて見事に釣り上げられていた。時合いが終わると途端にイワシの反応が悪くなり、船は魚群探知機を駆使してイワシの群れを追いかける。
1時間ほど我慢の時間が続いたが、その後、船長が見事イワシの群れを探し当ててくれ、船内は再び歓喜の声が飛び交う。
この釣りはエサがハリに掛かった後が重要。波に合わせてサオを上下させないと、せっかく掛かったエサが簡単に外れてしまう。
なるべくエサに負担をかけず、時にはオモリを海底に着けて本命が食いつくのを待つ。
本命ヒラマサとガチ勝負
何度か本命のアタリを逃したが、それでもまだまだチャンスがあるのが今の時期である。
イワシがついた仕掛けが激しく動き、その後、一気にサオ先が海面まで持っていかれた。やっと来た本命とのガチンコ勝負に、頭の中は真っ白になった。
ドラグはほぼガチガチに締め、海底から引き離す。サオは根元から曲がるが、本命の引きに負けていない。海底から引き離せられれば、そこからはドラグを少しだけ緩め、豪快な引きを楽しむ。
やっと掛かったので自然と頬が緩む。途中、おとなしくしていたが、もう少しのところで再び暴れだした。何とか無事タモに入れることができ、釣り上げた後に仕掛けを確認するとエダスがこすれていた。このギリギリの勝負が、何度やってもたまらなく面白い。
この後、本命をもう1尾追加して、午後3時に納竿となった。
落とし込み釣りは期間限定
この釣りは電動リールを使用することもあり、船中では女性の姿もよく見かける。エサとなる小魚が掛かれば、あとは落として待つだけなので、誰にでも高級魚や大型魚を釣るチャンスがあるのがこの釣りの最大の魅力ではないだろうか。
佐賀・長崎では、基本的に11月までの期間限定でこの釣りをさせてくれる遊漁船がほとんどだ。期間が限られているが、ぜひ豪快な引きを皆さんにも味わってほしい。
<週刊つりニュース西部版 唐津市・宮崎勝太/TSURINEWS編>