東京湾の味覚の王者『マコガレイ』を狙う 42cm頭に4尾【荒川屋】

東京湾の味覚の王者『マコガレイ』を狙う 42cm頭に4尾【荒川屋】

秋から冬に向けて「東京湾の味覚の王者」と言えばマコガレイ。近年数が減り、希少価値が高いサカナとなっている。東京湾カレイ乗合船を出す数少ない船宿の1つの横浜・金沢八景(瀬戸橋)の荒川屋を取材した。

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船釣り エサ釣り

荒川屋でマコガレイ釣り

東京湾金沢八景(瀬戸橋)の荒川屋は、カレイ乗合船を出す数少ない船宿の1つ。受け付けている時期は厳冬期の産卵時期を避けた秋と春。11月はシーズン前半、肉厚の魚を求めるにはベストなタイミング。

東京湾の味覚の王者『マコガレイ』を狙う 42cm頭に4尾【荒川屋】船宿アクセス略図(作図:週刊つりニュース関東版 編集部)

今回の取材は潮回りを読んで、昨年同期よりも1週間早く10月28日(月)の大潮の日に実施。船中4人が竿を出して25~42cmマコガレイが1~4尾、順調な滑り出しになった。

当日の状況

出船1時間半前に船宿に到着、山下貞光・大船長と若女将の笑顔の出迎えを受ける。店内で釣り座を選択、すでに1人の釣り人が先着しており、私が選んだ場所は左舷のトモ。

東京湾の味覚の王者『マコガレイ』を狙う 42cm頭に4尾【荒川屋】荒川屋船着き場(提供:週刊つりニュース関東版 APC・木津光永)

8時、左舷2人、右舷1人の布陣になった第三山下丸は山下光昭・若船長の舵取りで出船。向かい風が強く、航程20分ほどで杉田沖のポイントに到着。

船が流し方を決めている間にエサ付けを済ませる。間もなく船首からアンカーが打たれ、8時半に船長から「はい、どうぞー。水深は16mです」と投入OKの合図がでる。

当日のタックル

到着時の釣り場の海況は晴れ、風は北西から5~6m吹いていて最大波高は1.5m程度。潮は東京湾に注ぐ河川からの泥水が混じり、わずかに白濁した笹緑色で、11時前の干潮に向かう引き潮で、雨水の影響を受けやすい時間帯だ。

私は3本出し(船長の許可をもらうこと)。2本は置き竿にして船下狙い、1本は距離20mほどキャストして広く探ることにする。

東京湾の味覚の王者『マコガレイ』を狙う 42cm頭に4尾【荒川屋】当日のタックル(作図:週刊つりニュース関東版 APC・木津光永)

フグの猛攻で移動

開始10分後、手持ちの竿先にコン、コンとアタリがでて、軽くアワセをいれてから巻き上げると17cm級のシロギスが掛っかている。

この魚でも掛かれば面白いのだが、その後はフグの攻撃が激しくなり、3分も放置しておくと置き竿の仕掛けからはハリが次々なくなっていく。船中で何尾か掛かったフグを見ると、20~25cmが多く、サバフグ、ショウサイフグ、アカメフグと多彩だ。これには耐え切れず、30分ほどで移動の合図。

船中マコガレイ登場も再移動

次の場所までは数百mの距離で、水深はほぼ同じ。船長が右舷胴の間で竿を出すと、30分ほどで30cm級のマコガレイを釣り上げる。

東京湾の味覚の王者『マコガレイ』を狙う 42cm頭に4尾【荒川屋】山下光昭船長が仕留めた30㎝級(提供:週刊つりニュース関東版 APC・木津光永)

カレイがいることを証明してくれたが、時間の経過と共にここにもフグが集まり、10時半に3カ所目のポイントへ移動。

しかし、そこもフグの攻撃は激しく、私が使った仕掛けはすでに6組に達し、替えバリはその2倍を消費している。

ビックサイズ42cmを手中

そんな状況下、上げ潮が効いてきてミチイトが左舷方向へ傾き始めた11時半ごろ、右舷トモに入っていた白田さんが「これは本命だと思います」と大きく竿を曲げる。何度かの強烈な突っ込みに耐えて、船長が差し出すタモに収まったのは後検量42cmのビッグサイズなマコガレイだ。

教えてくれた仕掛けは、「五目」と書いてある市販品のフカセ。ハリスは3号75cm、丸セイゴ12号2本バリだった。

当日の竿頭は4尾

続けて左舷ミヨシの鍛治さんが27cmを釣り上げると、10分後にもう1尾追加。

時合い到来になったがフグには勝てず、正午すぎに根岸湾へ一時避難。フグが少ないのはよかったが、本命のアタリはなかった。

13時半に杉田沖のポイントに戻ると鍛治さんが先ほどと同じサイズを2連発。

東京湾の味覚の王者『マコガレイ』を狙う 42cm頭に4尾【荒川屋】鍛治さん4尾釣って竿頭に(提供:週刊つりニュース関東版 APC・木津光永)

4尾をそろえたところで仕掛けをたずねると「ハリス2号70cmで、丸セイゴ12号2本バリですよ」と言う。全長、ハリの種類、サイズは白田さんの物と共通点が多い。

置き竿で本命27㎝キャッチ

午後も相変わらずフグがハリを噛み切る悪さをして仕掛けの消耗は留まることがない。私は2人を参考に、3本並べた竿の仕掛けを作り直していく。

新しい仕掛けでの投入を終えたトモ寄りの投げ込み竿をロッドホルダーにセット。ほかの竿の仕掛け作りに取りかかると、竿先にクン、クンと複数回のアタリがでた。

置き竿を手に取って聞き上げるとギュン、ギュン、ギュンと暴れだす。スピニングリールとゲームロッドの組み合わせで、やり取りの面白さを味わいながら慎重に巻き上げると海面直下に尺級の茶色い平たい魚の姿が確認できる。

魚は元気にギュン、ギュン、ギューンと横走りするが、ロッドは魚のパワーを吸収。その間に船長を呼んで27cm本命をタモ取りしてもらい、貴重な1尾を手にすることができた。

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