伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「GD(グルテンダンゴ)を用いた浅ダナ両ダンゴ」。デビューしてまもなく数か月がたとうとしている新エサを使って伊藤がメーター両ダンゴを披露する。テーマ最終回は実釣時のブレンド変更について詳しくみていこう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
前回までは
前号では実釣の初期段階を追った。周囲の竿があまり立たず食い渋り気味と想定。よってアピール力重視で軽めの軟タッチをほぼ一方通行的に打ち込み、ナジみきるまでの一発取り作戦。
それはそれで功を奏したわけだが、気温上昇とともに魚の活性が上がり始めると、それまでのエサではナジミが入りづらくなった。
ここで通常ならウキの浮力を上げる・ハリスを詰めるなどの対応策が考えられるが、そもそも活性は徐じょに上がると予想していたので、スタートからウキは大きめをチョイスしている。
過去の高活性時にも使用したウキだから、これ以上の浮力を与える必要もない。そこでハリスを詰めたわけだが、それとてエサがお手玉されるので短くするにも限界がある。
残すはハリだが、そもそも過不足ないサイズを最初から使っているので問題はなさそうだ。
残るはエサのブレンド
こうして消去法で考えていくと、残るはエサのブレンド。つまり現状のブレンドでは持たせるのに限界があるということ。
「GDを使用したブレンドで練って持たせては特性を生かしたエサ使いとは言えない。ここはやはり練らずとも持つブレンドに替えるほうが良策だろうね」
そこで登場したのがカルネバパターン。浅ダナ一本よりもネバリが強く、芯残りする。この特性を生かしたブレンドはGDのエサ袋に2パターンが紹介されている。
伊藤はそのうちのGD、カルネバ、凄麩、バラケマッハ各200cc+水200ccを基エサにして少しの押し練りのみで打ち始めた。
「GDの裏書きにはもう一つGD200cc+カルネバ200cc+バラケマッハ400cc+水200㏄があるんだけど、このほうが粒子の粗い麸がないブレンドになるから凄麩パターンよりも持たせやすいはずなんだ」
凄麩パターンを選ぶ理由
でもそこをあえて凄麩パターンにしたのには、何かわけがあると?
ピンポンがきつすぎると言えばいいのかな。
だからバラケ性は確保して、重さでナジませていくほうが合っているのかなって思ったんだ」
凄麩パターンのほうが重いと?
「いや、どちらも比重は大して変わりはない。実はもう一つ、エサに混ぜ込みたい銘柄があってそれを使えばいい感じでナジませられると思ってね」
それは何ですか?
「ダンゴの底釣り夏だよ。これを凄麩パターンの小分けした基エサに少量だけ混ぜ込む。けっして練らずにね」
バラケ性は確保してダンゴの底釣り夏の重さでナジませる。するとこの作戦が見事にハマり3連チャンを含んだ、ほぼ入れアタリ状態となった。
そして何枚か釣ってタナに口数が減ってしまったら、ダンゴの底釣り夏を混ぜていない基エサを投入し寄りを回復させる。
後半、伊藤はこの繰り返しでコンスタントに竿を曲げ続けた。
GDで引き出しの幅も広がる
「GDの特性をもってしても魚の状態によっては、タナに集魚できないこともある。また今回のようにナジミ途中のバラケ性もある程度必要なシーンもあるだろう。
そのような時は思い切ってバラける素材を混ぜ込むのも一つの手だろうし、重さがほしいならダンゴの底釣り夏のような銘柄を混ぜ込んでもいいよ。
ただ一つ言えるのは、せっかくGDを使うのだから練らずともナジませられるブレンドにしたい。
練り込んでしまっては、膨らみが遅くなるばかりか、そもそも膨らまないエサになってしまうかもしれない。膨らまなくてもいいというならGDを使う必要はないし、いかなるブレンドでも練り込んでしまえばそういうタッチになる。
でも現代のメーター両ダンゴは、練らずともタナまで届けられるタッチが求められるのが現状なんだよね。そう言った意味でいうとGDを使いこなせれば、よりこの釣り方に対する引き出しの幅が広がるはずなんだよね」
次回からは「マッシュ系エサを使った宙釣り」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>