夏の豆アジ釣りも佳境を迎え、やや難しいシーズンとなっている。が、今回紹介する紀北・下津港は大型の港湾部で足場もよく、車も近くに置いて釣りができる好場である。アジの魚影は濃くルアーマンはもとより、エサ釣り師にも人気の釣り場だ。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
和歌山県下津港の概要
今回紹介するアジングポイントは海南より少し南下した、下津港だ。アクセスは阪和高速、海南湯浅道を使うなら、下津ICを降りて南に下り、JR下津駅を目指して向かうと分かりやすいだろう。
今回紹介するのは、下津港の中でも一番広い、下津港湾事務所前。下津港の最奥に位置するポイントになり、車をすぐ近くに止めて、目の前が釣り場になる。中央部に防波堤が1本出ているが、ここはエサ釣り師や先端はタチウオ釣りの地元釣り師で賑わっている。
アジの回遊
アジングのシーズンは8~12月頃までだが、完全な回遊モノのアジがメインになるため、かなり当たり外れが多く、「昨日までは爆釣してたのに」と言う事もザラにある。しかし、大きな回遊の群れに当たれば、2~3時間で30~40匹は難なく釣れてしまう時もある。
構造上の特徴
このポイントは湾港の最奥部になるのだが、意外と流れがしっかり入るポイントであり、この流れに乗ってアジが入ってくる。釣れるサイズは、その年によってもかなりかわるのだが、夏場は豆アジに近いサイズから冬場になると尺近いサイズまで釣れる。
真ん中に伸びる防波堤で区切って、大まかに左側(東側)と右側(西側)に分かれるのだが、実はこの波止付け根の下が空洞になっており、右側と左側が繋がっている。
波止全体がスリットになっていたりする場所は結構多いが、こういう造りは珍しいのではないかと思う。この構造により、どちらか片方だけ潮が動くという事もなく、港の中全体で潮が動くのだ。
防波堤東側
人気のあるエリアは海を正面に見た左側(東側)で、実際アジはよく釣れる。下津港では潮が右から左に流れる事が多く、この潮が入ってくると、波止の足元を通って、アジが小波止の左側に溜まりだす。
レンジはその時々でまちまちなのだが、キッチリとレンジを見つけてさえやれば連発することも多い。エサ釣りの地元釣り師も、ほぼこちら側に固まっているので、やはり魚影はかなり濃いと言う事だろう。
ピンポイントで「ここ!」っと言うようなポイントではないが、アジさえ溜まっていれば、隣の砂揚げ場の手前くらいまでならどこでも、それなりに釣果は期待できる場所である。
防波堤西側
次に反対側の右側(西側)だが、こちらは人気がないので、魚がいないのかと言うと、そうではない。東側にアジの群れが流れ込むほどの流れでない場合などは、逆にこちら側の方がアジは釣れるのだ。イージーな時なら、「投げて巻くだけ」でも十分口を使ってくれる。
ただ、そんな状況は西側では圧倒的に少ない。潮の動きが緩い時に強い場所なので、活性の低いアジを釣るからだ。こんな場所を釣る時は、障害物周り、ボトムに点在するブレイク、明暗などのピンスポットを探して釣っていくと、答えが返ってくる。
こちら側で、きっちり魚を釣る事ができれば、他のアングラーがまったく釣れていない状況でも、1人だけ爆釣劇が始まる事も少なくない。
それだけ難しいのだが、ハマった時の快感は正直かなり気持ちいい。楽に釣れてくれるのも、楽しいのだが、西側のようにきっちり探し当てて釣っていくのも難しいが、その分うれしさ、楽しさは倍増する。
オススメのタックル&リグ
下津港での釣りはジグヘッド単体リグの釣りで、私の場合、アジングロッド5.4~6ftにエステルライン0.25号、リーダーは0.6号、ジグヘッドは0.4~0.8gのタックルで楽しんでいる。
ただ、このポイントには時期になるとかなりの数のタチウオが入ってくる場合もあるので、その時期はどうしても、ルアーのロストは増えてしまう。
今回は下津港の中でも一番の大場所を紹介したが、この他にも下津港周辺にはたくさんのポイントがある。釣行の際には、ここに限らずいろいろ回ってみてほしい。ただし、この近辺には立ち入り禁止区域もあるため注意してほしい。
<TSURINEWS・WEBライター・和田格>
下津港
所在地:和歌山県海南市下津町