いよいよ、待望のアユ友釣りシーズンを迎えた。そこで今季のアユシーズンを占うべく、早期解禁となった和歌山・日高川上流の龍神エリアで友釣り名手・廣岡昭典、保貴兄弟に同行させていただいた。
名手!廣岡昭典・保貴兄弟に密着
今年も全国のアユ解禁に先駆けて、和歌山県下の河川では5月1日に早期解禁を迎えた。今年の状況としては、放流後からの水況が抜群によくアユの成育も良好。海産ソ上こそ、例年より少ないと評されていたが、いざ、解禁を迎えた有田川や日高川などの状況では「解禁日に3ケタ釣り」なんて情報も飛び込んできた。
そこで、アユトーナメントシーンではおなじみの廣岡保貴、昭典兄弟に同行して日高川のダム上流エリアに当たる龍神地区へと向かった。
当日は快晴ながら、朝はやや冷え込む状況。解禁日から期間が経ち、好調な情報を頼りにかなりの釣り人が入っていたため、釣り荒れも予想された。そんな中、2人が選んだ釣り場は竜王橋下流エリア。駐車スペースから川に降り立つと、少し下流側の瀬を中心に組み立てるようだ。
がま鮎競技スペシャルV7
今回、使用するロッドはがまかつ社渾身の「がま鮎競技スペシャルV7」シリーズ。このシリーズは全国区で活躍するアユトーナメンターが、それぞれこだわりを持って納得いくまで熟成させて登場した、まさにこだわりの製品となっている。
初期に最適な『硬中硬』
たとえば、今回同行させてもらった、廣岡保貴さんが担当したのは「硬中硬」。保貴さんによると「張りと粘りを両立させたタイプで、細くて軽く仕上げているのが特徴。張りを少し押さえることで、掛かったアユがバレにくいような調子を追求しました」とのこと。基本的に、前作のV6・硬中硬よりもパワーを押さえることで、初期の皮が軟らかい若アユの身切れを徹底的に防ぐ。また、オトリ操作時にも、やや柔軟な調子によって、余計なテンションをかけずにオトリを操作できる。
そのため、シーズン初期に開催される競技会の予選などで威力を発揮する。基本的に龍神をホームとする保貴さんの設計だが、22cmまでのアユを対象とするなら、どんな河川でもその威力を発揮、特に中、小河川での数釣りにはもってこいの仕上がりだ。
オトリ操作重視の『胴抜早瀬』
対して、昭典さんの担当ロッドは「胴抜早瀬」。こちらは昭典さんいわく「水中でのオトリ操作を重視したロッド」である。細身軽量化を実現した競技向けのロッドで、基本的には胴調子に近いタイプ。オトリ操作の上でもっとも重視したのが「粘り」。現代のアユはオトリを泳がせ、ポイントに入れたからといってすぐに追ってくれない。そのために、目標とする石の周辺でしっかりとオトリを止めてくれる調子であるという。
張りの強いロッドは確かにオトリの操作性がよいように見える。ただ、張りが強い分、無理に操作しようとするとオトリが嫌がる所作に繋がる。それを防ぎ、野アユに追われるオトリの姿勢を保つことができる。
5人の名手が各調子を担当
ちなみに「がま鮎競技スペシャルV7」は全部で5タイプがラインアップされており、「引抜早瀬8.5m、8.8m」は北村憲一さん、「引抜早瀬9m」は福田眞也さん、「引抜急瀬8.5m、9m、9.5m」は田嶋剛さんと、それぞれアユトーナメントシーンで絶大な実績を誇るメンバーが担当している。