本来、カワハギ釣りのシーズンは通常秋から冬にかけてだが、関東ではカワハギは一年中狙えるターゲットとして出船する船宿がいくつか存在する。本来はオフシーズンの時期である春や夏にもカワハギ釣りを楽しむことができる。今回、春カワハギ釣りの魅力を紹介したい。
カワハギの活性
一年のうちに最もカワハギの活性の低い2~3月の水温は12~13℃台だが、春は徐々に水温が上昇する時期のため、魚の活性もそれに伴って上昇する傾向にある。
ポイントによって潮流や水温が微妙に異なり活性も変わるため、攻略には工夫が必要だ。
春は良型狙い
産卵に備える個体が次第に増え、浅場の砂地や根回りに集まる。
ワッペンサイズと呼ばれる大きさの新子は混じらないため、数は秋ほど望めないが大型がより多く混じるという魅力がある。
釣技の向上に直結
ハイシーズンの時期とは異なり、ただ待っているだけでは向こうからエサを食べてくれないことが多い。そのため、春シーズンはその状況に応じた『誘い』が必要不可欠となる。
特に抱卵したメスはエサを積極的に追ってくれず、食い込みも浅く、丁寧な釣りを心がけることが必須なため、技術の向上が大いにリンクする。
上級者さえも翻弄する春カワハギを思うように釣れるようになれば、大会での「あと一枚釣っていれば…」という悔しい思いをしなくて済むかもしれない。
春カワハギ実釣へ
ここ最近、久比里地区の船宿の釣果はトップでも10枚いくかどうか、という日が続いている。
ポイントは剣崎沖。水深は20m~30m、水色は澄み。いずれのポイントも岩場の根回り。潮は朝の30分を除いて終日ほぼ動かず。釣座は胴の間を確保。
時合い逃さず40分で7枚!
当日の潮が動く時間は7:30~8:30。
ポイントに到着するのは8時前、実釣開始から40分がその日の1番のチャンスタイム。その時合いを逃すと数を稼ぐのは厳しくなると予想されたため、1投目から集中!
その40分間で感じることのできたカワハギのアタリは7回。そのすべてを取り込むことができ、開始1時間を待たずにあっという間に7枚を稼ぐことに成功。
苦しい時間も・・・
朝のチャンスタイムが過ぎると海底に冷たい潮が差してしまい、活性も下向きに。このような展開になると、『誘い』によって釣果に差が出る。
今回は根回りのポイントであったため、着底してから2mほど仕掛けを上げてゆっくりと誘い下げる動きを誘いの中に入れることで、周辺にいる魚にアピールすることができ、特に有効であった。
最終釣果と攻略法
船中釣果は0~12枚。胴の間でありながら少ないチャンスを生かし、竿頭になることができた。二番手は7枚であった。
有効な釣り方な釣り方としては、オモリを着底させ、5回ほど海底を小突きゼロテンで待つ。この時に先にアタックしてくるゲストのアタリを合わせずに無視してカワハギの吸い込むアタリが出るまで待つことが終日通用する攻略法であった。