伊藤さとしのプライムフィッシング。その日その釣り場で最良の釣りを目指します。今回のテーマは「迷ったらチョウチンセット。」あらゆる外的条件に強く、竿の長さを替えることで、あらゆるタナを攻略できるチョウチン。今日はどんな釣りではじめようかと迷ったら、まずはこの釣りでスタートしてみたらどうだろうか。今回はこの釣り方の優位性について考えてみよう。
迷ったチョウチンとは?
今月のタイトルに「迷ったら」とある。
つまりは釣り方を決めかねたらともとれる。なぜチョウチンなのか。今さらながら聞いてみよう。
「迷うってことは他の釣り方にその日の優位性がないってことだよね。たとえば風が強くて浅ダナはできないとか、底釣り全般が低迷しているとか。ではチョウチンなら釣れるの?それはやってみないと何とも言えない。
ただチョウチンならもろもろの条件に強いから、終日やり通せるメリットはあるよね。」
条件とは?
「おもには天候。風とか流れとかがあっても、チョウチンなら何とかしのげる。
しのげるってことは、つまり終日やりきれるってことだからね。」
たしかに短竿なら多少の強風下でも問題なく釣りができますね。
「そういうこと。それにもし浅ダナが好調だとするなら、規定最短竿のチョウチンでも、そこそこの釣果は狙えるだろうしね。」
チョウチンのメリットは?
他の釣り方にはないメリットはありますか?
「まずは振り込みがラクなこと。竿を立てて仕掛けを送り込むだけでいいんだからね。ゆえに疲労が溜まらない。リズムよく打ち続けられる。人よりエサを打てば釣れるってものでもないけど、打たないよりはマシだからね。」
他には?
「落とし込みが簡単で誘いもかけやすいとくにタテ誘いは、チョウチン(チョウチンの底釣りも含む)だからこそってのもあるしね。」
穂先を持ち上げやすいってことですよね?
「そうだね。それに縦方向だけでなく、横方向の誘いもしやすい。
誘えば釣れるほどこの時期の釣りは甘くないけど、誘わなければアタってこないのもこの時期特有の状況だからね。」
ウキが手前に立つから視認性もいいですよね。それに冬はアタリが小さくなりがちですし。
「そうだね。でもチョウチンのメリットはまだあるよ。しかも最大級の長所がね。」
それは何ですか?
チョウチン最大のメリットって?
竿の調整
「タナを自由に探りやすいってことだよ。
仮に6mの水深があるなら8~18尺ダナ(仕掛けやハリスの長さで変動)まで探れるわけだから、そのどこかで正解が見つけられるかもしれない。
つまりメーターセットや底釣りではやれないタテ方向の選択ができる。
これは強みだよね。」
でも選択の幅が広がると言うことは、それだけ迷いも生じるのでは?
「釣れなければね。でも他の釣り方だとハリスの長さとかバラケタッチだとかエサや仕掛けを調整するのがメーンになるけど、チョウチンなら竿を替えてみるだけのシンプルな作業で、釣況を一変させることが可能になるかもしれない。
もちろん仕掛けの調整・エサのタッチは大切だけど、竿替えの効果はそれ以上に大きいはずだからね。」
では竿は1尺ずつ準備すべきですか?
「それに越したことはないけど、たとえば今日は何尺竿でスタートすると決めたら、そこから長短2尺飛びで持っていけば十分でしょう。」
何だかチョウチンはメリットだらけですね。
「そう思える?でもそのメリットを生かさないと、宝の持ち腐れになるよ。
竿振りがラクなのだから、短竿浅ダナ狙いの人に負けないくらいエサ打ちをするとか、竿替えしても手早く済ませられるように準備をしておくなど、やれるべきことをやって初めてチョウチン釣りのメリットが生きてくるのだからね。」
次回も「迷ったらチョウチンセット」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>
筑波湖