PEラインは高い強度を持つラインだが、当然、永久に使えるものではない。釣行のたびに質は落ちていく。撚りイトのため1本がほつれると、その部分の強度がガタ落ちして相当量カットしなければならないことがある。筆者もこの度、3年使っていたPEラインをリール2台分巻き替えた。これまで裏返したりするたび「ライン弱ってますよ」と釣具店の店員さんに注意されていたが、本当にその通りだった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
PEラインの巻き替えタイミング
PEラインは何本もの細いイトを4本または8本または12本などに撚った1本のイトで、強度が非常に高い。同じ号数(太さ)のイトを比べると、たとえばフロロ1号ならば4lbの強度だが、PEラインの強度ならば20lb程度。強度だけでいえば、ほとんど比較にならないレベルだ。欠点としては、摩擦熱に弱い、ショックリーダーを要する、浮力が高くて沈めにくい。だがそれを補ってあまりある強さがある。
一回ごとにカットしなければならないエステルラインやナイロンラインと比べると長持ちするラインだが、PEにも寿命はある。ラインを裏返し(内側に入っていたものを外側に持ってくる)ながら、2年ほどだ。2年使ったPEは、そろそろ巻き替えを考えたほうがいい。
中古と新品を比較
PEラインはわかりやすく悪くなっていく。毛羽立ち、色落ち。筆者所有のものからご覧に入れよう。
写真では伝わりにくいかもしれないが、見た目にも、かなり汚い。自慢するわけではないが、私はすでにこのような状態になってからも、1年分延長してメバリングにもLTシーバスにもLTチヌにも使ってきた。とはいえ、そろそろ怖い。
こちらはタチウオに使っていた2500番スピニングのPEライン。青物をかけたときに100mほど高切れしてしまい、残りは50mほどになっていた。そのせいで、下巻きの上から巻いたときに、コブができてしまっている。これでキャスト時にライン放出にストップがかかっていたので、かなりマイっていた。
そして、これら2台をきれいに新品状態のものと入れ替えたスプールが、これだ。
最大2年で巻き替えが必要か
1000番のスプールに巻いていたラインは残り30m、2500番のスプールに巻いていたラインは残り50mだったらしい。さすがにそこまで短くなっているとは思わない。「ええっ」と声を出して驚いてしまった。
傷みや何やらを考えると、どうしても最大2年で巻き替えが必要になるらしいと実感した。ちなみにこのイトを巻き替えてから、調子よくどちらのリールにも魚がついた。今はシーバスゲームをしているのだが、フィネスでも、本式のタックルでも、魚の引きに負けず容易く釣れている。
余談「ラインストッパー、とれてますよ?」
ところで。筆者所有のリールなのだが、1年前にラインストッパーを紛失してしまった。今はイトをスプールの上に留めるのに輪ゴムを巻いている。巻き替えのときに気づいてくれたスタッフさんが、「ラインストッパー、とれてますけど。どうします?修理対応できると思いますよ」と声をかけてくれた。
もちろん私もそれは考えなかったものではない。だが、メーカーからはパーツが出ていないのだ。交換したいと思うなら、新品のスプールを買うしかない。と、そのことを伝えると、「それはたぶんパーツ取り寄せの場合ですよね?修理対応なら話が違うと思います」とのこと。「たぶん2000円くらいです。自分、こんな簡単なパーツが修理できないって話は聞いたことないですね」と言う。
その日はメーカーがお休みの日だったので、週明けの連絡を待ったのだが、かかってきた電話の第一声が「すみません」だった。やはり、メーカーに預けての修理対応もしていないらしい。これには閉口してしまう。リールメーカーさん、こんなパーツくらい、なんとかならないものですか?
<井上海生/TSURINEWSライター>