「沿岸で釣れる注意すべき毒魚」をテーマに大人が自由研究レポートを書いてみた

「沿岸で釣れる注意すべき毒魚」をテーマに大人が自由研究レポートを書いてみた

少年諸君、夏の自由研究の成績はどうだっただろうか?具体的な評価は個人懇談などであるだろうが、おそらく他の友人たちのものと見比べて「こんなものかな」という位置は自分で掴んでいるはず。今回は私が推奨テーマとして出した「沿岸で釣れる毒魚の研究」について、自分でその模範を参照としてご覧に入れたい。もちろんこれが最高の答えではなく、いわば平均点をとれる答えだ。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)

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井上海生

フィールドは大阪近郊。ライトゲームメイン。華奢なアジングロッドで大物を獲ることにロマンを感じます。

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毒を持った魚の研究、大人版

夏の自由研究をこの夏、海で行った少年たちは、まず海に対してどのような印象を持っただろうか?それが美しいものなら、テーマ推薦者としてこれほどうれしいものはない。その記憶を大事に抱えていてほしい。

釣り物の釣り分けとしての意味合いでも有用なのが、筆者が推奨したテーマの「沿岸で釣れる毒魚の研究」だ。←実はこの一文の中に、重大なことがある。それが、「食べられる魚の中に混じる、食べられない魚」を比較するように書くと、対照的でいい内容になるのだ。

ベラやカサゴなどよく釣れる魚と共に、毒魚を紹介することで、それらの存在が研究の文面の中で大きく見える。さらに毒の危険度を★で表したりすると、見かけインパクトがあっていい。

「沿岸の毒を持つ危険な魚について」大人が書いてみた

では、ここからが私が書く研究の中身だ。まず沿岸のありふれた魚について紹介したい。

「沿岸で釣れる注意すべき毒魚」をテーマに大人が自由研究レポートを書いてみたありふれた魚たち(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

カサゴ、メバル、アジ、スズキなどが釣魚としてターゲットになる。カサゴには背に微弱な毒があると言われるが、具体的な研究論文はないのでこの際は論じないものとする。

さて、続けて、日中によく釣れる雑魚についても画像で言及しよう。

「沿岸で釣れる注意すべき毒魚」をテーマに大人が自由研究レポートを書いてみた雑魚たち(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

お気づきだろうか? この中に一種、危険なヤツがいる。そう、クサフグだ。

「沿岸で釣れる注意すべき毒魚」をテーマに大人が自由研究レポートを書いてみたクサフグ(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

クサフグはサビキ釣りにもライトルアーにもかかる魚で、最も身近な存在と言える。だがこいつが、猫も本能的に避けて食わぬほど、致死的な毒を持つ。フグ食う無分別、フグ食わぬ無分別という言葉があり、フグは正しく調理すればおいしいのだが、そもそもクサフグは食べられる魚ではない(※厳密には、素人が捌いて食べる地域もあるらしい。まったく推奨されないどころか、厳禁とも思う)。以下、その他の魚と共によく注意したい。

「沿岸で釣れる注意すべき毒魚」をテーマに大人が自由研究レポートを書いてみた危険な魚一覧(ダイソーパンフより)(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

クサフグの毒とは何か?

ここから、クサフグの毒について特集して紹介したい。

クサフグには「テトロドキシン」という猛毒がある。その強さは推理事件などによく登場する定番の毒・青酸カリと比べて種類によるが800倍以上で、日常生活の陰に潜む毒としてはもっとも強い。口にするや、致死レベルだ。部位ごとに、部卵巣・肝臓・腸が猛毒、皮膚は強毒、筋肉と精巣は弱毒。何にせよ食べては絶対にいけない。

「沿岸で釣れる注意すべき毒魚」をテーマに大人が自由研究レポートを書いてみたこんな顔して猛毒なのだ(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

さて少し話は変わるが、同じく自然界にいる猛毒生物としてよく知られるのがヤドクガエルだ。こいつは触るだけで、ほとんど間違いなく死ぬ。育った原生林を離れると毒を持たなくなると言われるが、とにかく触ってはいけない。クサフグは触るくらいは大丈夫だ。

自由研究「まとめ」

クサフグの困ったところは、他の魚と比べて、危険なヤツそうではないことだ。いや初見では確かにヘンなヤツなのだし、掴んだら膨らむなど怪しい生物ではあるが、のほほんとした見た目なので、まさかコイツが猛毒の持ち主とは思わない。どちらかといえばカサゴのトゲトゲ感の方が危ない気がする。

他の魚種と比べてそこまでおどろおどろしい見た目をしていないこと。外見が安全っぽい感じで沿岸魚種に収まっていることに、怖さがある。

――もし私がまとめるなら、以上のようにするだろうか。もちろんこれは同時に注意喚起でもある。上の画像のようなオニカサゴやアイゴなどにも、絶対に触らないようにしよう。

<井上海生/TSURINEWSライター>